物件購入が不動産投資の目的になっていませんか?
マンション経営は数年から数十年におよぶ「購入→運営→売却」がセットになった長期投資です。
ですので、マンション経営(ワンルームマンション投資)の成功は、購入価格と売却価格だけでなく、運営に必要な費用である運営費にもかかってきます。
もし、マンション経営をする投資家がその費用の正体を知らない場合、予想外の出費で経営を圧迫し、不動産投資市場から退場させられることも十分にありえます。
この記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家『プロフィール』が、マンション経営にかかる運営費(ランニングコスト)について詳しく解説します。
また、管理費や修繕費、積立金などの運営費用について、平均的な金額、かかる理由、節約する方法などを分かりやすく説明します。
これから物件を購入しようとしている方はもちろん、すでにマンション経営をしている方でも、ランニングコストを把握することで、より効率的な経営ができるようになります。
では、始めましょう。
マンション経営には3種類の運営費が必要
マンション経営の運営費(ランニングコスト)は、大きく分けると3種類に分類できます。
- 毎年必ずかかる運営費
(家賃の25~35%)
管理委託手数料、管理費・修繕積立金、ローン返済金、固定資産税・都市計画税 - 入退去の度にかかる運営費
(家賃の2~4ヶ月分)
原状回復費、広告料 - 数年に1度、突発的にかかる運営費
(家賃の1~12ヶ月分)
設備入替費、保険料
設備入替費は忘れられがちですが、ある日突然時限爆弾のように爆発し、一気にキャッシュフローを奪う厄介なコストです。
では、上から順番に解説していきましょう。
①管理委託手数料
管理委託手数料は、あなたのマンション経営をサポートする管理会社へ支払う手数料です。
あなたは多忙なサラリーマン投資家ですよね。
妻・子供がいるなら、自分の時間の捻出に相当苦労していると思います。
だから、管理委託手数料をケチっている場合ではありません。
マンションの運営業務は、料金を払ってでも管理会社に任せるべきなのです。
『管理委託手数料のメリット | ワンルーム投資するサラリーマン大家さんへ』
管理委託手数料は、家賃にかかわらずいくら? という定額制もありますが、多くの場合は家賃の何%? という定率制を取っています。
定額制なら3,000円、定率制なら家賃の5%が相場と言われていますが、最近は管理業務の奪い合いが激化しているため、もっと低価格(定率)で管理を引き受けてくれる管理会社もあります。
もし、今の金額とサービス内容に不満がある場合は、マンション貸す.com などの相談窓口を使ってみると、案外解決するかもしれません。
また、管理委託手数料の代わりにサブリースという手もありますが、おすすめしません。
サブリースで保証される家賃(相場家賃の80%~90%)はどんどん改悪されるし、一方的に解除されるリスクがあるからです。
②管理費・修繕積立金
ワンルーム投資には、他の不動産投資にはない特有のランニングコストがあります。具体的には、管理費と修繕積立金が挙げられます。
20㎡規模の新築・築浅のワンルームマンションの場合、管理料・修繕積立金の合計は月6,000円~1万円程度ですが、その金額で永遠に続くわけではありません。
修繕積立金には、次のような特徴があるからです。
新築は修繕がほとんが必要ないため、修繕積立金残高は順調に増えます。
しかし、築12年~15年あたりで行われる第1回目の大規模修繕で多くを使います。
第2回目の大規模修繕は築24年~30年あたりですることが多いですが、第1回目以上のコストがかかります。
マンションの修繕積立金のガイドライン(国土交通省)によると、15階未満で建築延べ床面積5000㎡のマンションの修繕積立金の平均は月218円/㎡です。
ですので、20㎡規模のワンルームマンションであるなら、6,000円~7,000円までは増額されるものとしてシミュレーションしておく必要があります。
『ワンルームマンションの修繕積立金は安い?高い?相場はいくら?』
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③不動産投資ローンの返済金
「不動産投資ローン返済金」とは、銀行に返済するローンのことであり、運営費として大きな割合を占めるコストです。
ハンパない資金をお持ちのスーパー投資家もいますが、サラリーマン投資家は万年金欠状態が現状です。
『ブログ歴5年超のサラリーマン大家が暴露!不動産投資家のウラの顔』
だから、サラリーマン投資家の多くは不動産投資ローンを活用します。
ワンルームマンションは生命保険や年金代わりになりますよ!
多少マイナスが出ても、それは保険料と思ってください。
こんな倫理観の欠如した不動産コンサルタントもいますが、ローン返済が10年~35年続く日々を想像してください。
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④固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税(以下まとめて固定資産税)は、毎年1月1日現在において不動産を所有するオーナーに対し、市町村が課税する地方税のことです。
20㎡くらいの都市型ワンルームマンションの固定資産税は3万円~7万円程度で、年に4回(4月・7月・12月・2月のパターンが多い)分割で支払います。
本ブログでは、次の3つの利回り計算のマスターをオススメしています。
次は、入退去のたびにかかるランニングコスト(現業回復費と広告料)について解説します。
⑤室内の原状回復費
空室になった場合、前入居者の生活臭が消えるまではキレイにしなくてはなりません。そのためにかかるコストを「原状回復費」と呼びます。
通常、この費用は家賃の0.5カ月~2カ月程度かかります。
原状回復費は出費になりますので、無視できません。
原状回復費は、部屋の広さや入居期間によって決まります。
例えば、東京都心の15㎡のワンルームマンションでは、原状回復費用が比較的安価に抑えられますが、20~30㎡の1K~1DKの一般的な地方都市の区分マンションでは、東京の倍近くの原状回復費用がかかる場合があります。
東京都心のワンルームマンションは、1室当たりの原状回復費用でも他の地域よりも安価です。
『コンパクトは正義!東京ワンルーム投資はランニングコストがお得』
⑥入居斡旋のための広告料
広告料の相場は家賃の1カ月分~2カ月分ですが、ワンルーム激戦地区になると3カ月以上というのもザラにあります。
大阪でいうとこのエリアです。結構ヤバいです。
『大阪マンション投資の失敗を回避せよ!買ってはいけないエリアはココだ』
だから、広告料はマンション経営のランニングコストとして無視できません。
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次は、数年に1度、突発的にかかる運営費(設備入替費、保険料)を見ていきましょう。
『1000万円の中古マンションの購入諸費用は◯万円!その内訳は?』
⑦室内の設備入替費用
ワンルームマンションの設備も時間が経つと劣化してしまいます。新しいものと取り替えるためには、結構な費用がかかります。これを「設備入替費用」と呼びます。
例えば、これらの設備は6年~50年で使えなくなります。
設備 | 取替コスト |
---|---|
エアコン | 7~8万円 |
給湯器 | 10~12万円 |
電気温水器 | 25~30万円 |
フローリング | 10~40万円 (材質、施工方式による) |
ミニキッチン | 30~50万円 |
トイレ | 10~50万円 |
ユニットバス | 40〜80万円 |
お気づきだと思いますが、水回り(キッチン、トイレ、ユニットバス)の設備入換費用は高額です。
蓄積したキャッシュフローが一気に吹っ飛びます。
入換時期がかさならないように、計画的に取り替えていきたいです。
『大阪の不動産投資で失敗する7つの理由!東京人が陥りがちなトラップとは?』
⑧火災保険・地震保険の保険料
火災保険や地震保険の保険料はそれほど高額なランニングコストではありませんが、5年から10年に1度、地味に支払う必要があります。
火災保険の保険料は建物の構造で違い、地震保険の保険料はマンションのある都道府県で違います。
例えば、建物評価額250万円(地震保険125万円)とすると、東京都内では、火災保険の保険料が10年で6000円~8000円、地震保険の保険料が5年で1万円程度です。
地震保険はどの保険会社でも一律価格(ただし、都道府県で違う)ですが、火災保険は加入する保険会社でことなります。
火災保険一括見積もりサイトなどの比較サイトを利用すれば、保険料金を節約できます。
『サラリーマン大家も節税しよう!ワンルーム投資で差をつける15の経費活用術』
まとめ
一気にランニングコストを紹介したから、チョット疲れたね。
マンション経営にかかる運営費(ランニングコスト)をまとめるとこのとおりだよ。
運営費の種類 | 運営費 | 費用の目安 |
---|---|---|
毎年 | 管理委託手数料 | 3000円もしくは家賃の5% |
管理費・修繕積立金 | 月6,000円~1万円程度 | |
不動産投資ローンの返済金 | ローン条件による | |
固定資産税・都市計画税 | 3万円~7万円 | |
入退去のたび | 原状回復費 | 家賃の0.5カ月~2カ月程度 |
広告料 | 家賃の1~2カ月分 | |
数年に一度 | 設備入換費用 | 設備による |
保険料 | 5年で2万円程度 |
要約すると、マンション経営はお気楽な事業ではないということだよ。
ワンルーム投資だとこの程度だけど、アパート投資になるとビルメンテナンス費用や建物の保険などのコストがかかるから。もっと多いよ。
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