ワンルームは建物と設備に分けて減価償却すると節税効果が高いはウソ

なるほど!と思ったらシェアしよう

スポンサーリンク

ワンルームマンションは建物と設備に分けて減価償却すると節税効果が高い」という話を聞いたことがあるだろうか?

確かに単年度ベースでみると、ワンルームマンションは建物と設備に分けた方が節税効果が高い。

なぜなら、建物と設備は法定耐用年数(以下、耐用年数)の違いがあり、償却できるスピードが違うからだ。

  • 新築建物:47年(遅い)
  • 新築設備:15年(速い)

耐用年数とは(会計上で)建物・備品の価値がゼロになる年数のことである。詳しくはコチラの記事で解説している。

マンション投資の減価償却費がチンプンカンプン?初心者はこう考えよう!

しかし、節税目的であったとしても「建物と設備に分けてればすべて良し」とはならない。
その理由を解説したい。

より実践的にするために、この条件の新築ワンルームマンションを使って計算する。

<取得価格>

  • 土地:1000万円
  • 建物本体:1200万円
  • 付帯設備:300万円

まず、「建物のみで減価償却するパターン」と「建物と設備に分けて減価償却するパターン」を比較することから始めよう。

スポンサーリンク

減価償却費の計算

先に解説した通り、減価償却の方法は2種類ある。

  • 区分マンション本体を建物一式として減価償却
  • 区分マンション本体を建物と設備に分けて減価償却

建物一式で減価償却する場合

建物一式の取得価格は[建物本体+付帯設備]であるので1500万円である。

減価償却費(建物一括)
=建物の取得価格×耐用年数47年の償却率※
=1500万円×0.022※
=33万円

減価償却資産の償却率表を使用

減価償却費の計算方法はコチラでくわしく解説している。

初心者も楽勝!中古ワンルームマンションの減価償却費の計算方法

建物・設備に分けて減価償却する場合

減価償却費(建物)
=建物の取得価格×耐用年数47年の償却率
=1200万円×0.022
=26.4万円
減価償却費(設備)
=建物の取得価格×耐用年数15年の償却率
=300万円×0.067
=20.1万円

建物設備に分けた減価償却費の計算方法はコチラでくわしく解説している。

ワンルームの減価償却費は建物と設備に分けるも良し!その計算方法はこう

建物と設備に分けると節税効果が高い?

減価償却費

  • 建物一式:33万円
  • 建物設備:46.5万円(13.5万円UP!)

このように、建物本体と付帯設備を一式として扱うより、建物と設備に分けたほうが節税効果は高い。
単年度の減価償却費が増えるからだ。

しかし、単年度の減価償却費が増るが、全体の減価償却費の上限は1500万円で変わらない。
つまり節税効果は同じだ。

具体的にはこういうことである。

建物一式の減価償却費は、毎年33万円を47年間計上できる。

建物一式で減価償却

つまり、毎年33万円×税率(15%~55%)分の節税効果が最大47年続く。

建物設備に分けた場合の減価償却費は、毎年46.5万円を15年間。

設備の減価償却は15年で終わるため、16年目から47年目の31年間の減価償却費は毎年26.4万円である。

建物と設備に分けて減価償却

最初の15年間は[46.5万円×税率]の節税効果。16年目~47年目は[26.4万円×税率]の節税効果となる。

減価償却費を使った節税の盲点

ワンルームマンション投資では、できるだけ経費を積み上げて不動産所得を赤字にした方が節税できるのは確かだ。

なぜなら、サラリーマンの給与所得から不動産所得の赤字を差し引けるからだ。

節税の仕組み | サラリーマンが「ワンルーム投資」をすると税金はどう変わる?

しかし、不動産所得が赤字になった場合、経費として認められない項目がひとつ増えることになる。

それは、ローン返済の土地分の利息だ。

不動産所得が赤字の場合、ローン返済の土地分の利息は経費計上不可

これが節税の盲点になっている。しかし、ワンルームマンションの節税効果をうたう不動産業者はこの事実を教えてはくれない。

節税対策でワンルームマンションを購入?それは失敗する典型例だ!

減価償却費を使った節税の失敗

あなたの不動産所得がこうだったとしよう。

  • 建物一式:-4.5万円
  • 建物設備:-18万円

仮に「土地のローン返済の利息部分」が20万円だったなら、節税効果はどうなるだろう?

ちなみに、「土地のローン返済の利息部分」20万円は、数室ワンルームマンションをローンで買い続けると到達する金額だ。

ワンルームマンションの空室リスクは何室持つと解放される?

どちらも節税額はゼロ円で節税に失敗することになる。
「ローン返済の土地利息部分」20万円までは、経費として認められないからだ。

さらに、極めつけはこうだ。

建物一式の場合、減価償却費33万円のうち4.5万円は節税に使えず、その分の経費を捨てているのと同じ。

建物設備の場合、減価償却費46.5万円のうち18万円は節税に使えず、その分の経費を捨てているのと同じ。

なんてもったいない。

不動産を売却!そのとき節税のキモだった減価償却費が牙を向く

まとめ

  • 単年度ベースでみると、ワンルームマンションは建物と設備に分けた方が節税効果が高い
  • ただし、全体ベースでみると、建物と設備に分けても節税効果はかわらない
  • むしろ、「土地のローン返済の利息部分」が多い、かつ「不動産所得が赤字」であるなら、建物と設備に分けて減価償却するべきではない
  • なぜなら、赤字の場合「土地のローン返済の利息部分」は経費にできないから