あなたがこの記事にたどり着いたの理由は何ですか?
- 減価償却費が終了しそうからですか?
- 終了したら大変なことに気づいたからですか?
- すでに終了してしまったからですか?
いずれにせよ、この記事にたどり着いて正解です。
減価償却費がなくなったとき(減価償却期間が終わったとき・耐用年数が終了したとき)、今まで味方だった節税ツールが投資家にキバを向けます。
不動産投資をして節税するはずだったのに。
こんなはずでは…とならないように、事前に知っておいてください。
不動産投資の減価償却費とは?

初心者のサラリーマン投資家のために、減価償却費を簡単に解説しておくね。
(会計上)土地は永遠に使えるため価値が減ることはありません。
しかし、建物本体やキッチン、トイレ、ユニットバスなどの付帯設備は時間とともに価値が減少します。
その減少した価値分だけ毎年必要経費として計上できます。
この必要経費を減価償却費といいます。
不動産投資の減価償却費を使った節税スキーム
不動産投資の減価償却費はなぜ節税に貢献するのでしょうか?つまびらかに解説します。
これが分からないことには、不動産投資の減価償却費が終了して起こる税金地獄が理解できません。
キャッシュフロー・減価償却費・不動産所得の関連性に着目して読み進みてください。
あなたはこの条件のワンルームマンション投資を行っています。
- 取得価格:1040万円
(建物取得価格は416万円) - 築年数:30年
- 融資金額:700万円
- 金利:2.5%
- 融資期間:30年
- 年間家賃:72万円
- 年間運営費:20万円
キャッシュフローの計算
不動産投資1年目のローンの元金返済と利息返済はこの通りです。
- 元金返済:158711円
- 利息返済:173185円
この不動産投資の年間キャッシュフロー(儲け)を計算してみます。
=[家賃]-[運営費+ローン返済額]
=720000-(200000+331896)
=188,104円
キャッシュフロー計算方法の詳細はコチラ!
『失敗しない大家になる!不動産投資で必須のキャッシュフロー計算方法を学ぼう』
減価償却費の計算
この物件の減価償却費を計算すると183,040円になります。
耐用年数は23年なので、183,040円を23年間にわたって減価償却することになります。
『5分で達人級!中古マンションの減価償却費の計算方法を不動産投資家が解説』
不動産所得の計算
この不動産投資の不動産所得を計算すると163,775円になります。
=[家賃]-[運営費+ローン利息+減価償却費]
=720000-(200000+173185+183040)
=163,775円
キャッシュフローと不動産所得の差が節税の鍵
この不動産投資では【キャッシュフロー > 不動産所得】となります。
- キャッシュフロー:188,104円
- 不動産所得:163,775円
実際の儲け(キャッシュフロー)は188,104円ありますが、会計上の儲け(不動産所得)は163,775円となり、課税される税金が実際より少なくなります。
つまり、この差が節税に寄与するのです。
しかしながら、融資を受けて不動産を保有し続けるとこういう日が必ず訪れます。
減価償却費の終了!始まる税金地獄
先に解説したとおり、不動産投資の節税は減価償却費に頼っていることが分かります。
しかしながら、この減価償却費も(今回の不動産投資では)23年後に終了します。
すると、キャッシュフローと不動産所得の大逆転が起こり、税金地獄が始まります。
あなたが税率30%の投資家なら、不動産所得の税金は138,911円(463,036×30%)です。
減価償却費が終わった後の税引き後キャッシュフロー(ATCF)は49,193円(188,104ー138,911)に激減するのです。
ただ、減価償却の終了は税金地獄の入口にすぎません。
すべての借金を返済し終えるまで税引き後キャッシュフローの悪化は止まらず、ジリジリと追い込まれるからです。
『サラリーマンの区分マンション投資 | 不動産所得の減価償却費の書き方』
まとめ
不動産投資の不動産所得・税引き前キャッシュフロー(BTCF)・税引き後キャッシュフロー(ATCF)をグラフにまとめるとこうだよ。
マンション経営を続けると、いつかデッドクロスがおとずれることが分かるよね。
『不動産投資家必見!デッドクロスに隠された税金地獄を解き明かす』
その瞬間から、不動産所得がキャッシュフロー(BTCF)を上回り、その不動産投資での節税スキームが崩れるんだ。
さらに時は流れ、減価償却費が終了して重税地獄。
だから、「デッドクロスと減価償却終了がいつ起こるのか」を把握して、対策しておかないと、後で痛い目をみるよ。