不動産を売却!そのとき節税のキモだった減価償却費が牙を向く

節税
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減価償却費は「現金の支出を伴わないが、必要経費に計上できるありがたい節税アイテム」と考えられている。

しかし、その認識は間違えである。

なぜなら、減価償却費で節税した分は不動産売却時にキッチリ回収されるからだ。
税金の仕組みは本当によくできている。そう簡単に節税を許さない。

つまり、減価償却費は「期限付きの節税アイテム」というのが正しい解釈である。

減価償却費を使った節税スキームを紹介し、売却時にどのようにして回収されてしまうのかを解説しよう。

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減価償却費で節税

減価償却費の節税スキームを、例を挙げて簡単に解説しよう。

あなたはこの条件の不動産投資(区分マンション投資)をしている。

  • 価格:1000万円
  • 土地建物比率:60:40
  • 築年数:30年
  • 年間家賃:80万円
  • 年間運営費(ランニングコスト):20万円
  • 融資:利用なし

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この条件の中古区分マンションの減価償却費を計算すると約18万円になる。
減価償却費の計算方法はコチラの記事で解説している。

5分で読める!中古マンションの減価償却費の計算方法を7つステップで解決

 

本来なら、家賃からランニングコストを引いた不動産所得60万円に税金(所得税・住民税)がかかるが、減価償却費を必要経費に落としこむことで、42万円の不動産所得に抑えられるのだ。

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つまり、毎年、減価償却費18万円×税率(15%~55%)の節税ができるのである。

減価償却費が不動産売却後の税金を増やす

減価償却費が不動産売却後の税金を増やすカラクリを知るためには、譲渡税の知識が必要である。

税金の世界では売却益を譲渡所得という。
譲渡所得に譲渡税率(20%~39%)を掛けて、税金(譲渡税)を計算する。

譲渡所得
= 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)

※取得費
=購入価格 + 仲介手数料 + 固定資産税等清算金 - 減価償却費の合計

ワンルームマンションを売却!その取得費はこう計算する

 

情報は出そろった。
本題の「減価償却費が不動産売却後の税金を増やすカラクリ」を解説しよう。

  1. 減価償却費を計上する
  2. 取得費が少なくなる
  3. 譲渡所得が増える

図で解説するとこうだ。

減価償却費の計上で譲渡所得が増える仕組み

不動産投資の減価償却費が終了!そこから始まる税金地獄がコレだ

売却後「減価償却費が牙を向く」具体例

(本記事の例の)区分マンションの減価償却費は18万円であるため、10年後に売却すれば減価償却費の合計は180万円になる。

[物件価格 + 仲介手数料 + 固定資産税等清算金]が1040万円であったとすると、取得費は860万円(1040-180)と計算できる。

売却価格が950万円だっととしよう。
すると、譲渡所得はこのように計算できる。

譲渡所得
= 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)
=950 - (860 + 38)
=52万円

※譲渡費用は譲渡価格の約4%である。

 

10年間運用しているため、この区分マンションの売却は長期譲渡である。
長期譲渡の税率は20%であるため、譲渡税は10.1万円となる。

短期譲渡と長期譲渡はこちらの記事で解説している。

ワンルームマンションを売却!その税金(譲渡税)はこう計算する

 

このように、減価償却費で節税した分の一部は、売却時にキッチリ回収されてしまうのである。

また、[売却価格 < 購入価格]であれば、譲渡税はかからないだろうと考えている投資家が多いと思うが、本例からそうとは限らないことがわかる。

ワンルームは建物と設備に分けて減価償却すると節税効果が高いはウソ

まとめ

  • 減価償却費はただの節税アイテムではない
  • 減価償却費は税金の支払いを売却時に繰り延べているだけ
  • [売却価格 < 購入価格]でも、減価償却費の使い方次第で譲渡税が発生する場合がある
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