あなたは将来有望なサラリーマンですよね?
だから、職場にこんな電話がかかってきた記憶があると思います。
ワンルームマンションを買えば節税できます!
たいへん怪しく聞こえますが、これはまぎれもない事実です。
ワンルーム投資は、他の不動産投資に比べて少ない自己資金で取り組めます。
さらに、空室リスクが低く、節税も期待できるため、サラリーマンに人気の副業となりつつあります。
節税とは、不動産投資にかかる経費や損失を所得から差し引くことで、所得税・住民税などの税金を合法的に減らすことです。
特に、高所得サラリーマンになればなるほど、ワンルーム投資で節税できる金額は増えていきます。
ですが、「節税の仕組み」をしっかりと理解せずに購入を即決してしまうと、期待した金額の節税ができないばかりか、反対に納税する歯目になることもあります。
この記事では、不動産投資歴10年かつ確定申告歴15年超の現役サラリーマン投資家『プロフィール』が、ワンルーム投資で節税する仕組みについて、実例を交えて解説します。
ワンルーム投資を検討しているサラリーマンから、すでに物件を持っている経験者まで、新しい気づきがあるはすです。ぜひ参考にしてください。
では、始めましょう。
【結論】サラリーマンのワンルーム投資節税の仕組み
サラリーマンがワンルーム投資で節税する方法はシンプルです。
- ワンルームマンションを買って賃貸に出します。
- そのとき、家賃収入よりも経費やローンの支払いが多くなるようにします。
- そうすると、不動産所得はマイナスになります。
- このマイナスの部分をサラリーマンの給料から引きます。(損益通算)
- 給料が減ると税金も減ります。これが節税になるわけです。
サラリーマンがワンルーム投資で節税する方法を図解するとこうです。
ちなみに、みんな大好きなキャッシュフローと不動産所得は違う性質を持っているから注意してね。
『キャッシュフローと不動産所得の違いを知って、成功の秘訣を手に入れよう!』
ここからは、ワンルームマンションを使ったサラリーマンの節税の仕組みを、具体的な数字を使って解説します。
【実例】サラリーマンのワンルーム投資節税の仕組み
あなたは年収700万円の独身サラリーマン投資家(以下、このサラリーマン)です。
このサラリーマンの所得(年収 ー 各種控除)は372万円くらいです。
何となくワンルームマンション投資をやってみたら、40万円の赤字が出ました。
すると、所得が332万円(給与所得-赤字=372万円-40万円)に下がり、税金が12万円下がりました。
ワンルームマンション投資の赤字40万円は、12万円(40万円×30%)の節税効果を生み出したのです。
ようわからんわ。
「なぜ、こうなるのか?」詳しく解説していくよ。
サラリーマンの税金が決まる仕組み
ワンルーム投資で節税する方法を理解するには、税金について少し勉強しないといけません。
税金(所得税・住民税)について、簡単に説明します。
サラリーマンが払う税金は、年収だけで決まるわけではありません。
年収からいろいろな控除(給与所得控除、社会保険料控除、基礎控除、扶養控除など)を引いた金額に税金がかかるのです。
課税所得金額に所得税率と住民税率をかけて計算します。
下の所得税の速算表から、このサラリーマンの所得税率は20%だと分かります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 9.75万円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 42.75万円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 63.6万円 |
900万円を超え1800万円以下 | 33% | 153.6万円 |
1800万円を超え4000万円以下 | 40% | 279.6万円 |
4000万円超 | 45% | 479.6万円 |
住民税は一律10%なので、このサラリーマンの税率は30%(20+10)となります。
『「不動産投資で節税は嘘」と言う前に知っておきたい税金の真実とは?』
税金の仕組みが分かったところで、普通のサラリーマンとサラリーマン投資家の税金の違いを比較してみましょう。
普通のサラリーマンの税金の計算してみよう
普通のサラリーマンの税金は、こちらの計算式を利用します。
このサラリーマンの税金を計算すると68.85万円です。
=[所得税]+[住民税]
=[(年収ー控除)×所得税率ー所得税控除]+[(年収ー控除)×10%]
=[(700ー328)×20%-42.75]+[(700ー328)×10%]
=[31.65]+[37.2]
=68.85
※所得税率と所得税控除は、所得税の速算表を見てください
『ワンルーム投資の初期費用で節税はムリゲー!1年目の経費はこれっぽっち』
サラリーマン投資家の税金の計算してみよう
サラリーマン投資家の税金の計算式はこちらを利用します。
=[所得税]+[住民税]
=[(年収-控除+不動産所得)×所得税率-所得税控除]+[(年収-控除+不動産所得)×10%]
※不動産所得=[収入-必要経費]
サラリーマン投資家の不動産所得は40万円の赤字(-40万円)ですので、税金を計算すると56.85万円です。
=[所得税]+[住民税]
=[(年収-控除+不動産所得)×所得税率-所得税控除]+[(年収-控除+不動産所得)×10%]
=[(700-328-40)×20%-42.75]+[(700-328-40)×10%]
=[23.65]+[33.2]
=56.85
[ここまでのまとめ]
- 普通のサラリーマンの税金:68.85万円
- サラリーマン投資家の税金:56.85万円
ワンルームマンション投資で12万円の節税に成功しました。
『ワンルームマンション1室からOK!確定申告は青色申告しないと損』
高所得サラリーマンほど節税額は大きい
所得が多いと税率もあがります。
だから、高所得サラリーマンほど、ワンルーム投資で税金を減らせる可能性を秘めています。
例えば、税率55%(所得税率45%+住民税率10%)のサラリーマン投資家なら、今回のケースで22万円(40万円×55%)の節税が可能なのです。
本記事の趣旨からそれますが、大切なことなので補足します。
節税を実現するためには、サラリーマンとはいえ確定申告が必須です。
確定申告に苦手意識を持っている投資家は多いですが、クラウド会計ソフトfreeeを使えば、毎日の帳簿付けから確定申告まで楽勝です。
また、確定申告の準備段階である「開業届」と「青色申告承認申請書」は、freee開業を使えば3分で作れます。
人気『サラリーマンの不動産所得者必見!開業届は不要?未提出のデメリットとは?』
新築ワンルームマンション投資節税の罠
ワンルームマンションを使ったサラリーマンの節税の仕組みを解説してきました。
しかしながら、本当にワンルームマンション投資は節税になるのでしょうか?
実は、節税効果は一時的なもので、長期的には逆に税金が増える可能性もあるのです。
その典型的な例が、新築ワンルームマンション投資です。ヤバいです。
『新築ワンルームマンション投資は節税にならない!それでも買いますか?』
サラリーマンのワンルーム投資節税の仕組み(まとめ)
サラリーマンのワンルーム投資で節税する方法はわかったかな?
ワンルームマンションを買って赤字を作って(不動産所得を赤字にする)、給与から差し引くだけだったね(損益通算で給与所得を下げる)。
高所得サラリーマンであればあるほど、たくさん節税できるんだったね。
とはいえ、ワンルーム投資は節税だけを目的にすると失敗する可能性も高いよ。
節税効果は一時的なもので、不動産投資が黒字化した場合は逆に税金が増えることもあるからね。これをよく覚えておこう。
また、ワンルームマンション投資は空室や修繕費などのリスクも抱えているよ。
ワンルーム投資をするなら、節税だけではなく、家賃収入や物件価値などもしっかりと考えて、総合的に判断する必要があるよ。
自分で組めるローンの範囲内で取り組みたいなら、INVASE バウチャーサービスがおすすめだよ。
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