ワンルームマンション投資を始めてみると、アレッ!?と思うことが多くありませんか?
そのひとつが「キャッシュフローがプラスだったのに、確定申告をするために不動産所得を計算したらマイナス(赤字)だった」です。
あなたが初心者のサラリーマン投資家なら、これは不思議な出来事だと思います。
なぜなら「キャッシュフロー = 不動産所得」であり、相反することなどありえないと考えているからです。
しかし、キャッシュフローと不動産所得は異なる性質を持っています。むしろ「キャッシュフロー = 不動産所得」となることの方が珍しいのです。
不動産投資のキャッシュフローとは?
まず最初に、「キャッシュフロー」と「不動産所得」の言葉の意味を整理します。
キャッシュフローとは実際の儲けのこと
キャッシュフローとは、本来は「現金の流れ」を意味する言葉です。
しかし、不動産投資のキャッシュフローとは、収入(家賃)から支出(運営費+ローン返済金)を引いた「儲け」のことをいいます。
キャッシュフローを計算してみよう
あなたは次の条件の中古ワンルームの購入を検討しています。
- 価格:1000万円
- 年間家賃:72万円
- ランニングコスト:18万円
- ローン返済金:36万円
この中古ワンルームのキッシュフローを計算すると、18万円になります。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済額]
=[72万円]-[18万円+36万円]
=18万円
『不動産投資歴10年が直伝!ワンルームのキャッシュフローの計算方法』
不動産投資の不動産所得とは?
不動産所得とは帳簿上の儲けのこと
不動産投資の不動産所得とは、収入(家賃)から帳簿上の支出[ランニングコスト + ローン返済金(利息)+ 減価償却費]を引いた「帳簿上の儲け」のことをいいます。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済金の利息+減価償却費]
不動産所得の計算のポイントは、ローン返済金ではなくローン返済金の利息であることです。
「ローン返済=元金返済+利息返済」であることはご存じですよね?
元金返済はキャッシュフローに影響を与える支出ですが、経費として認められていません。
だから、帳簿上の支出はローン返済金ではなく、ローン返済金の利息部分なのです。
不動産所得を計算してみよう
あなたはサラリーマン投資家です。
次の条件の中古ワンルームの購入を検討しています。
- 家賃:72万円
- ランニングコスト:18万円
- ローン返済金(元金):12万円
- ローン返済金(利息):18万円
- 減価償却費:25万円
この中古ワンルームの不動産所得を計算すると11万円になります。
=[家賃]-[運営費+ローン返済金(利息)+減価償却費]
=[72万円]-[18万円+18万円+25万円]
=11万円
キャッシュフローと不動産所得の違い
キャッシュフローと不動産所得は、支出として使う項目に違いがあります。
キャッシュフロー
収入 | 家賃 |
実際の支出 | 運営費 |
ローン返済金 (利息+元金) |
不動産所得
収入 | 家賃 |
帳簿上の支出 | 運営費 |
ローン返済金 (利息のみ) | |
減価償却費 |
そのため、キャッシュフローと不動産所得が同額になるときとは「ローン返済金=ローン返済金(利息)+減価償却費」なので、現実的ではありません。
実際、今回の中古ワンルーム投資の例でも、キャッシュフロー18万円に対し不動産所得は11万円であり明らかに違います。
不動産投資の節税はこのキャッシュフローと不動産所得の差を利用して行われています。
関連『節税の仕組みを実例解説!ワンルーム投資はサラリーマンの税金をこう減らす』
また、不動産投資で本格的な節税をしたければ、開業届と青色申告承認申請書の提出が必須です。
開業freee(公式)を使えば、無料で3分以内に作れるので、しっかり提出しておこう!
人気『開業フリーの使い方 | 開業届と青色申告承認申請書があっという間に!』
キャッシュフローと不動産所得の違いはマスターできましたか?
この知識を使って、次は税引き後キャッシュフローを計算できるようになりましょう!
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キャッシュフローと不動産所得の違いのまとめ
不動産投資のキャッシュフローと不動産所得は、全く別モノであることがわかったよね?
このように、支出の内訳が違うんだ。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済額]
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済金(利息)+減価償却費]
だから、違っていて普通なんだね!