不動産投資は多くの人にとって魅力的な投資手段のひとつです。
その中でも、ワンルームマンションに投資するサラリーマンが増えていることはご存知でしょうか?
ワンルーム投資は少額の自己資金で複数の物件を購入でき、かつ安定的なキャッシュフローを得られます。
しかしながら、サラリーマン投資家デビューは、確定申告デビューでもあります。
いざ、確定申告を始めてみると、アレッ!?と思うことが多くあります。
そのひとつが「不動産所得がプラスなのに、キャッシュフローがマイナスだった(またはその逆)」です。
キャッシュフローと不動産所得は異なる性質を持っており、一致することはありえませんが、不動産投資の初心者にとって、キャッシュフローと不動産所得の違いを理解することは大変なことかもしれません。
そこで、本記事ではキャッシュフローと不動産所得の違いについて、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家『プロフィール』が解説し、サラリーマンが不動産投資で成功するための秘訣を紹介します。
では、始めましょう。
不動産投資のキャッシュフローとは?
まず最初に、「キャッシュフロー」と「不動産所得」の言葉を整理します。
キャッシュフローとは「実際の儲け」のこと
キャッシュフローとは、本来は「現金の流れ」を意味する言葉です。
しかし、不動産投資のキャッシュフローとは、収入(家賃)から支出(運営費 + ローン返済金)を引いた「儲け」のことをいいます。
【実例】キャッシュフローを計算してみよう
あなたは次の条件の中古ワンルームの購入を検討しています。
- 価格:1000万円
- 年間家賃:72万円
- ランニングコスト:18万円
- ローン返済金:36万円
『知らなきゃ損!マンション経営でかかる運営費(ランニングコスト)の正体』
この中古ワンルームのキッシュフローを計算すると、18万円になります。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済額]
=[72万円]-[18万円+36万円]
=18万円
『不動産投資の大損を回避!ワンルームマンションのキャッシュフロー計算方法』
不動産投資の不動産所得とは?
不動産投資のキャッシュフローの理解は深まったと思います。
次は、不動産投資の不動産所得を理解していきますね。
不動産所得とは「帳簿上の儲け」のこと
不動産投資の不動産所得とは、収入(家賃)から帳簿上の支出[ランニングコスト + ローン返済金(利息)+ 減価償却費]を引いた「帳簿上の儲け」のことをいいます。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済金の利息+減価償却費]
不動産所得の計算のポイントは、ローン返済金全額を使うのではなく、ローン返済金の利息のみを使うことです。
「ローン返済=元金返済+利息返済」であることはご存じですよね?
元金返済はキャッシュフローに影響を与える支出ですが、経費として認められていません。
だから、帳簿上の支出はローン返済金ではなく、ローン返済金の利息部分なのです。
『ローン返済&繰り上げ返済の盲点!不動産投資の経費は利息だけ』
【実例】不動産所得を計算してみよう!
あなたはサラリーマン投資家です。
次の条件の中古ワンルームの購入を検討しています。
- 家賃:72万円
- ランニングコスト:18万円
- ローン返済金(元金):12万円
- ローン返済金(利息):18万円
- 減価償却費:25万円
『不動産投資の減価償却費の不思議 正しく理解していますか?』
ただし、減価償却費を計上するためには、税務署に確定申告する必要があるよ。
この中古ワンルームの不動産所得を計算すると11万円になります。
=[家賃]-[運営費+ローン返済金(利息)+減価償却費]
=[72万円]-[18万円+18万円+25万円]
=11万円
不動産投資のキャッシュフローと不動産所得の違い
キャッシュフローと不動産所得は、支出として使う項目に違いがあります。
キャッシュフローの計算
収入 | 家賃 |
実際の支出 | ランニングコスト(運営費) |
ローン返済金 (利息+元金) |
不動産所得の計算
収入 | 家賃 |
帳簿上の支出 | ランニングコスト(運営費) |
ローン返済金 (利息のみ) |
|
減価償却費 |
そのため、キャッシュフローと不動産所得は同額にならないのです。
実際、今回の中古ワンルーム投資の実例でも「キャッシュフロー18万円に対し不動産所得は11万円」で、明らかに違います。
不動産投資の節税は、このキャッシュフローと不動産所得の差を利用して行われています。
関連『ワンルーム投資で年間12万円節税!サラリーマン必見の節税の仕組みとは?』
また、不動産投資で本格的な節税をしたければ、開業届と青色申告承認申請書の提出が必須です。
freee開業を使えば、無料で3分以内に作れるので、しっかり提出しておいてください。
人気『freee開業の魅力!開業届と青色申告承認申請書が無料で3分で作成できる』
キャッシュフローと不動産所得の違いはマスターできましたか?
この知識を使って、次は税引き後キャッシュフローを計算できるようになりましょう!
『【悲報】税引き後キャッシュフロー計算ができなければ大家失格!』
キャッシュフローと不動産所得の違いのまとめ
キャッシュフローと不動産所得は、投資物件から得られる支出の計算方法に違いがあるんだ。
キャッシュフローとは、家賃からランニングコストとローン返済金の全額を差し引いた正味の現金収入で、
不動産所得とは、家賃からランニングコスト、ローン返済金の利息部分と減価償却費を差し引いた帳簿上の収入だよ。
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済額]
=[家賃]-[ランニングコスト+ローン返済金(利息)+減価償却費]
不動産所得には減価償却費が含まれるから、キャッシュフローがプラスでも不動産所得がマイナスになることがあるんだ。
減価償却費とは、投資物件の建物や設備などの価値を、定められた期間に分割して償却する費用のことで、うまく活用できれば不動産所得を減らして節税できるよ。
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