
貯金の利息はたったの0.01%ですよね?
不動産投資なら利回り10%くらいは余裕ですよ!
一度は聞いたり、見たりした記憶がありませんか?
これは、不動産会社の営業マンが投資家を口説くときに使われるお決まりフレーズです。
利息と比較することで、不動産投資の利回りの良さをアピールするわけです。
あらゆる投資には利回りという言葉が付きまといます。もちろん不動産投資も。
ただ、不動産投資はその定義があやふやで、様々な利回りがあることをご存じでしょうか?
この中でも、不動産投資に関わったときに初めて目にする利回りが「表面利回り」です。
あなたもきっとそのはずです。
しかしながら、この表面利回りには致命的な欠陥があり、この利回りの高さだけに注目して投資すると、ほぼ100%失敗します。
不動産投資の表面利回りとは?
表面利回りとは、年間の満室家賃を不動産の価格で割ったときに計算される利回りのことです。グロス利回りともいいます。
表面利回りがリターンを正確に表す指標なら、ボクもあなたも不動産業者も、みんなハッピーになれます。
しかし、表面利回りは不動産業者よりの指標であり、これほどあてにならない利回りはありません。これを信じる者は即座に業者の餌食と化すしかありません。
表面利回りの計算式
表面利回りの計算は単純で、計算式はこうです。
=[年間満室家賃]÷[価格]×100
次は表面利回りを計算してみましょう!
表面利回りを計算してみよう
あなたは次の条件のワンルームマンション投資を検討しています。
- 家賃:4万円
- 価格:400万円
表面利回りの計算は楽勝ですよね。
=[年間満室家賃]÷[価格]×100
=48万円÷400万円×100
=12%
もし、あなたが不動産投資の初心者なら、12%の利回りはけっこうな高利回りと感じるのではないでしょうか?
しかし、このままワンルームマンション投資を始めると、この不動産投資は失敗に終わるでしょう。
高利回り物件には、それなりの理由があるからです。
『高利回りのワンルーム投資にだまされるな!実はハイリスク物件だ』
もし、あなたが付きあった業者が悪徳業者なら、ローンが付く限り必然的に失敗する物件をすすめられ、人生がジ・エンドです。
『ババ引かされたから暴露する!怪しい不動産コンサルタント3名を』

なぜ、そこまで言い切れるのか?
その理由を紹介しましょう!
表面利回りで失敗する理由1
表面利回りには空室という概念がありません。常に満室で入居率100%です。
不動産投資では、そんなことはありえませんよね?
不動産投資は空室との戦いですから。
『初心者必見!ワンルームマンションの入居率98%99%は まず疑え!』
表面利回りで失敗する理由2
マンション運営は結構なランニングコストがかかるものですが、表面利回りにはその概念がなく、常に経費ゼロ円経営です。
ですが、マンション経営にかかる経費はこんなにあるのです。
- 管理委託手数料
- 管理費、修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
- 保険料
- ローン返済金 など
『運営費はこんなに? ワンルーム投資のランニングコスト8選』
これらの経費は、実際の利回りに影響を与える重要なファクターです。
表面利回りで失敗する理由3
収益用不動産のほとんどはオーナーチェンジ物件ですが、ここにも罠が仕掛けられています。
オーナーチェンジ物件は現在の入居家賃を使い、空室の場合は不動産業者が査定した想定家賃を使います。
オーナーチェンジのマンションなら、その人が退去するまではその家賃は保証されます。
しかし、空室物件(空室のマンション)を購入するときが問題です。
空室物件は不動産業者が家賃を査定して想定家賃を付けますが、それは実際の家賃より高い場合が多いからです。


何で業者の想定家賃は実質家賃より高いの?

その理由は簡単!
高い家賃をつけておけば表面利回りが高くなるよね?
魅力的な物件に見えるからだよ。
オーナーチェンジの入居者が退去したとき、どれくらいの家賃が発生するのか?
その相場家賃を把握しておくことは大切です。
相場家賃を利用した利回りに「ネット利回り」があり、初心者が失敗しないために、最初にマスターしたい利回りです。
『初心者こそ知ってほしい!ネット利回り(NOI)の計算方法はこう』
まとめ
不動産投資の表面利回りを信じると、必然的に失敗する理由がわかったかな?
- 空室を考慮していないからダメ
- 運営費(ランニングコスト)を考慮していないからダメ
- 想定家賃と実質家賃に差があるからダメ
利回りと言えば、表面利回りを指すことが多いけど、洗練された投資家は現実味のある指標を使っているよ。
おいおいそのあたりも、記事にしていくね。
では、今日はこのへんで。