高利回り物件を熱望する不動産投資家を指す隠語に「利回り星人」があります。
利回り星人にとっては高利回り物件こそが正義で、次の言葉を呪文のように唱え、不動産業者を巡回します。

高利回り物件ありませんか?

条件のいい物件がでたら連絡してください!

X%以上の物件はありませんか?
不動産投資はエリアにより相場がありますが、利回り星人は相場を無視してひたすら高利回り物件の紹介を受けようとする。
不動産業者にとっては面倒な存在です。
そんな利回り星人に、まともな物件が紹介されることは、まずありません。
本来、リスクとリターンは一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないので、高利回り(ハイリターン)ということは、リスクが高い(ハイリスク)ということです。
あなたが不動産投資で失敗したくないなら、このことを肝に銘じるべきです。
高利回り物件の持つリスクを洗いざらい解説しましょう!
高利回りの基準は市況で変わる
ボクがワンルームマンション投資を初めた2011年は、東京でも表面利回り10%を超える物件はありました。
というのも、2009年にリーマンショックがあり、不動産業界に騒然の氷河期が訪れました。
2010年~2011年あたりが、最近の相場の底だったのです。
今、コンサルタントとして活躍中の「メガ大家さん」も、そのころに不動産投資に参入した者が多いです。
『メガ大家の失敗を暴露する!サラリーマン投資家はイメージに騙されるな』
余談ですが、表面利回りは忘れて次の利回りをマスターしよう!
これが計算できるだけで、負動産をつかむ失敗率が格段に減ります。

リンクをクリックすると、各利回りの解説記事へジャンプするよ。
話を戻します。
しかし、2018年の今はどうですか?
ワンルームマンション投資の主戦場である東京23区と大阪6区(北区、中央区、西区、福島区、天王寺区、浪速区)の利回りは右肩下がり。
築年数とエリアにもよりますが、「東京23区で表面利回りで4%~7%」「大阪6区で5%~8%」といったところでしょう。(2018年)
このような市況の中、このエリアで表面利回り10%を超える物件がでたなら、それはまちがいなく高利回り物件です。
『大阪ワンルーム投資は失敗する!東京の感覚でやったらハイリスクやで』
高利回りはハイリスクの裏返しである
他の不動産投資家が敬遠するようなハイリスク物件は、高利回りにしないと売れません。
例えば、表面利回り10%を超えるワンルームマンションを紹介されたとき、失敗したくないならあなたはこう考えるべきです。
- そのような高利回り物件には何か問題があるのではないか?
- 表面上は高利回りに見えるが、本当はハイリスク物件ではないか?
しかし、初心者のサラリーマン投資家にはこの感覚がありません。だから、簡単にだまされてしまいます。
『ババ引かされたから暴露する!怪しい不動産コンサルタント3名を』
もし、あなたが賢明な投資家であったとしても、物件買いたい病にかかっているときは危ない!

買いたい病とは、購入後の運営と売却のことを忘れてしまい、買うことがゴールになってしまう、不動産投資家を失敗投資家に導く恐ろしい病のことだよ。
高利回りな理由(リスク)を確かめずにパクッと食いついてしまうからです。
実際、自称「失敗しない不動産投資家」であるボクが購入したやや高利回り物件もリスクが隠れていました。

偉そうな記事を書いているボクもプチ利回り星人です。
だから、この記事は「自分へのいましめ」でもあるんです。
- 入居者が外国人
(文化が違うため、他の部屋とトラブルになるリスク) - 入居者が高齢者
(孤独死のリスク)
『ワンルームで事故発生!孤独死で227万円の請求を喰らいヘコむ』
高利回りマンションが抱える4つのリスク
先に解説したように、高利回りマンションにはさまざまなリスクがあります。
本記事は4つのリスクを抜粋して紹介します。
立地がハイリスク
ワンルームマンションは単身者が住むため、駅からの距離(時間)は最重要項目です。
だから、駅から遠くなるにつれて利回りは高くなります。
ボクなら特急電車の停まるターミナル駅から徒歩15分の物件より、普通電車しか止まらないとしても徒歩3分の物件を選ぶでしょう。
不動産投資家が敬遠するハイリスク物件とは、具体的にはこういう物件です。
- 駅から遠い。
- 駅徒歩3分とあるが、実は急坂。
- 駅徒歩3分とあるが、実は回り道をする必要があり倍以上の時間がかかる。
『買ってはいけない大阪エリア!マンション投資歴10年が語りつくす』
周辺環境がハイリスク
どれだけ高利回りでも、ボクはこのエリアのワンルームマンション投資は行っていません。
- 「ド」が付く街中
(近くに簡易宿泊所があることが多い) - 「ヤ」が付く事務所が近くにある
- 「風」が付く歓楽街の中
ボクはこの3地区を「ドヤ風」と呼んでいます。
「ドヤ顔」ではありません。だれも住みたくないエリアです。
銀行融資もNGになるため検討にも値しません。
『アルヒ(ARUHI)のアプラス投資用マンションローンはココに注意!』
修繕がハイリスク
不動産投資家として見極めなければならない修繕関係の重要事項は3つです。
- 修繕積立金の月額
- 修繕積立金残高
- 大規模修繕履歴
はっきり言います。

修繕積立金月額の安いワンルームマンションは失敗する!
なぜでしょうか?答えは単純です。
修繕積立金が安いと積立修繕金の残高が増えません。
すると、大規模修繕ができなくなりスラム化するか、大規模修繕をするために一時金を徴収されるかの2択しかないからです。
いきなり、数十万の一時金を徴収されたらどうしますか?
もう地獄を見るしかありませんよね。
『ワンルームマンションの修繕積立金は安い?高い?相場はいくら?』
入居者がハイリスク
現在、ボクが考えるハイリスク入居者とは滞納する入居者です。
今の日本の法律では、滞納者ですらすぐに追い出せないからです。
入居者は法律上は弱者であり、その弱者に向かって強引に取り立てようものならお上が黙っていません。
大家がひどい目に合うしかありません。これが現実です。
まとめ
高利回りマンションのリスクか分わかったでだろう?
高利回りの反対。低利回りマンションにはこのようなリスクは低いですが、ある程度の利回りがないと投資として成立せずに失敗するよ。
だから、不動産投資は、ほどほどの利回りがベターだね。