不動産投資には、ワンルームやアパート、戸建てなどの投資タイプ、投資エリアの違い、築年数の違いによって、利回りが異なることがあります。
例えば、投資エリアに注目すると、都心部の利回りは比較的低く、地方部の利回りは高い傾向があります。
利回りとリスクはトレードオフだからです。
とはいえ、不動産投資において、利回りは気になるファクターのひとつです。
初めて不動産投資を行う場合、どれくらいの利回りが妥当なのか分からず、適切な物件選びができないという人も多いかもしれません。
そこで、今回の記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、不動産投資初心者でも失敗しないよう、利回り最低ラインの見極め方について解説します。
利回り最低ラインを見極めることで、物件選びにおいて的確な判断ができるだけでなく、投資収益を上げることができます。
この記事を最後まで読めば、利回りの定義や計算方法。
そして、不動産投資の利回り最低ラインの設定方法や見極め方が理解できます。
不動産投資におけるリスク管理についても触れ、安全かつ効率的な不動産投資を行うためのノウハウをまとめました。
初めての不動産投資に挑戦する方、投資収益を上げたい方は必見の内容となっています。
では、始めましょう。
【結論】不動産投資の利回り最低ライン
ある一定条件を元に、ボクが算出した不動産投資の利回り最低ライン(ワンルーム投資の利回り最低ライン)はこのとおりです。
- 表面利回り:約7%
- ネット利回り:約4.5%
- 実質利回り:約4%
こうなったのか理由を、「実質利回り→ネット利回り→表面利回り」の順番に解説します。
途中で意味がわからなくなったら、3タイプの利回りの記事へ戻ってください。
そこには、不動産投資の利回りを理解するヒントが書かれているはずです。
何か…この記事、理屈っぽい?
うん。
でも、そう言わずに最後まで付き合ってね。
さあ、いくぞ!
その前に、3種類の利回りを簡単に解説します。
不動産投資の「表面利回り」とは?
不動産投資の表面利回りとは、年間の家賃収入を物件価格で割り出したもので、簡単に算出できるのが特徴です。
=[年間満室家賃]÷[価格]×100
表面利回りは、投資初心者にはわかりやすいため、よく用いられます。
しかし、表面利回りは、物件の運営にかかる費用を考慮していないため、実際に得られる収益を正確に反映していないという致命的な欠陥があります。
そのため、表面利回りだけでなく、実際に手元に残る収益を反映する「ネット利回り」や、購入諸費用を含めた「実質利回り」など、より詳細な利回り指標を併せて考慮することが大切です。
『驚愕の真実!不動産投資家が明かす表面利回りの落とし穴とは?』
不動産投資の「ネット利回り」とは?
不動産投資のネット利回りは、不動産の家賃収入から必要経費を差し引いた金額(ネット収益:NOI)を、不動産価格で割ったものです。
=[相場家賃×入居率-ランニングコスト(運営費)]÷[価格]×100
ネット利回りが高いということは、より効率的な不動産投資ができているということです。
投資家は物件を選ぶ際に、ネット利回りをしっかりと検討する必要があります。
『表面利回りは忘れろ!不動産投資家必携のネット利回り(NOI)とは?』
不動産投資の「実質利回り」とは?
不動産投資の実質利回りとは、家賃収入から諸経費を差し引いた金額(ネット収益)を、物件の取得価格で割ったものです。
=[年間相場家賃×入居率-ランニングコスト]÷[価格+購入諸費用]×100
=[NOI]÷[総投資額]×100
つまり、実際に得られる利益を正確に反映する指標といえます。
実質利回りは、表面利回りやネット利回りよりも正確な利回りを算出できるため、投資家にとっては最重要指標です。
『不動産投資の成功は実質利回りの使い方次第!FCRの極意を伝授!』
不動産投資の実質利回り最低ライン
まず、実質利回りベースで、不動産投資の利回り最低ラインを考えるよ
実質利回りはそのマンションが持つ収益力を数字に反映していますが、すべてのランニングコスト(経費)が反映されているわけではありません。
つまり、実質利回り4%を切ると、売却前にキャッシュアウトする可能性が高まるのです。
広告料と原状回復費は、ワンルームマンションが空室になるたびに発生し、合計で家賃の2カ月分~6カ月分程度かかります。
ここで朗報です!
都市型中古ワンルームマンション投資を得意とするGA technologies は、原状回復費・広告料無料で対応しています。
また、エアコン、給湯器、フローリング、ユニットバス、トイレなどは永遠に使えるわけではありません。
いつか、入れ替えの時期がやってきます。
それはワンルームマンションを買った次の日かもしれないし、売却するまでおとずれないかもしれません。
タイムリー!
この記事を書いていたら、神戸のワンルームマンションに付帯していた2001年製のエアコンが故障しました。
新品エアコンの入れ替えに合計8万円近くの支出を余儀なくされました。
このように、単発的に収益を悪化させるイベントがやってくるのです。
不動産投資のネット利回り最低ライン
次は、ネット利回りベースで、不動産投資の利回り最低ラインを考えるよ!
実質利回りの最低ラインを「4%」と厳し目に見ると、失敗しないワンルーム投資のイメージはこうです。
- マンション価格:1120万円
- 購入諸費用:80万円
- 年間相場家賃:72万円
- 入居率:95%
- ランニングコスト(運営費):20万円
実質利回りからネット利回りを逆算するとこうです!
=[年間相場家賃×入居率-運営費]÷[価格]×100
=[72万円×95%-20万円]÷1120万円×100
=4.3%
不動産投資の表面利回り最低ライン
最後に、表面利回りベースで、不動産投資の利回り最低ラインを計算するよ!
現在の入居者の家賃を6.3万円と仮定します。
=[年間満室家賃]÷[価格]×100
=75.6万円÷1120万円×100
=6.8%
表面利回りの最低ラインは6.8%となります。
『不動産投資の大損を回避!ワンルームマンションのキャッシュフロー計算方法』
[重要]不動産投資の利回り最低ラインの補足
不動産投資は成功と失敗が分かりにくい投資です。
なぜなら、投資の成功と失敗は売却したときに初めて判明するからです。
不動産投資においては、築年数が経過するにつれて売却価格が下落する傾向があります。
例えば、2000万円で購入したワンルームマンションを10年間所有した後、売却価格が1000万円だった場合、その運用中に得たキャッシュフローも売却損で一気に消えてしまい、投資が失敗に終わる可能性があります。
その点、東京都心ワンルームマンションはこの手のリスクが低いです。
コチラの記事は、ボクが検討した不動産投資を実例をあげて解説しています。
『横浜ワンルーム投資の収支シミュレーション 投資歴10年の分析結果は?』
つまり、不動産投資で成功するためには、目先のキャッシュフローも大切だけど、価格の下がりづらいエリアに投資することも大切ということです。
したがって、今回考察した利回り最低ラインは、運営中にキャッシュアウトするのを回避するための利回りにすぎません。
不動産投資家は利回りとリスクのバランスを取って投資すべきなのです。
『ワンルーム投資の高利回りに騙されるな!リスクを知って失敗しない投資をしよう』
失敗しない不動産投資の利回り最低ラインのまとめ
不動産投資の利回り最低ラインはこのあたりだよ。
- 実質利回りで4%前後
- ネット利回りで4.5%前後
- 表面利回りで7%前後
でも、この利回り最低ラインは運営中にキャッシュが回らなくなるのを回避するための利回りにすぎないよ。
大切なことは、いろいろな人に聞いたり資料を比較したりして、自分の利回りを確立していくことだね。
不動産投資無料体験セミナー で、疑似体験してみるのもひとつの手段だよ。
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