ファミリーマンションは空室物件がほとんどですが、ワンルームマンションはオーナーチェンジ物件がほとんどです。
オーナーチェンジ物件とは、入居者が住んでいる状態のまま物件の取引を行う形態をいい、新オーナーは前オーナーと入居者が交わしていた条件(家賃、更新など)をそのまま引き継ぎます。
オーナーチェンジ物件は、購入したその日から家賃収入が得られるというメリットがありますが、前オーナーと入居者の交わした条件がたびたびトラブルとなることがあります。
そのトラブルのひとつが、相場からかけ離れた高い家賃で契約していたときです。
この高い家賃が今度の投資計画にどのような影響を与えるのかを、数字を使って解説していきましょう!
不動産投資サイトの利回り
不動産投資サイトは楽待(らくまち)、健美家(けんびや)、不動産投資連合体が有名でしょう。
ボクもこれらのサイトには世話になっているし、サイト経由でオーナーチェンジの区分マンションを購入したこともあります。
その後の運営状況は良好なので、良い取引ができたと感謝しています。
そんな不動産投資サイトですが、歓迎できない表記方法があります。
利回りが表面利回りであることです。
表面利回りは年間家賃とマンション価格のみで決まるため、全く当てにならないからです。
『驚愕の真実!不動産投資家が明かす表面利回りの落とし穴とは?』
表面利回りを使った罠
オーナーチェンジ物件は、こうすれば表面利回りを上げ、高利回りマンションに見せることができます。
- 広告料を奮発して高い家賃で無理やり入居者を付ける。
- 見せかけの入居者(オーナーの知り合い、不動産関連会社の社員)をつける。
- 10年前から住んでいる入居者である(オーナーに悪意はなし)
オーナーチェンジ物件では、その入居者が退去した後、次も同じ家賃がもらえる保証はありません。
入居者が退去した後は相場家賃に調整されからです。
つまり、表面利回りのようにオーナーチェンジ家賃で収支分析すると、今後のキャッシュフローに大きな影響が出るということなのです。
『ワンルーム投資の高利回りに騙されるな!リスクを知って失敗しない投資をしよう』
利回り計算は相場家賃を使わないと失敗する
実在するオーナーチェンジの区分マンションで、利回りを計算してみます。
<大阪市西区南堀江オーナーチェンジ物件>
- 価格:1150万円
- 専有面積:21.2㎡
- 間取り:1K、トイレバス別
- 築年:2004年(築14年)
- 所在階 :6階
- 建物構造:RC造
- 家賃:7万円
- 管理費・修繕積立金:1.5万円
- 固定資産税:年間4万円
この物件は出稿当時実在していた物件ですが、オーナーに迷惑がかかるため、少しアレンジしています。
『大阪のマンション投資おすすめエリアTOP5!失敗知らずの大家が厳選』
表面利回りの計算
まず、表面利回りから計算してみます。
=[年間満室家賃]÷[価格]×100
=[7万円×12カ月]÷[1150万円]×100
=7.3%

まずまずだね。
実質利回り(FCR)の計算
今回は現実的な利回り実質利回りを計算します。

この利回りを計算することなく物件を買うことがないよ。それだけ、重要だということ。
実質利回りの詳細はコチラ。
『実質利回り(FCR)を計算!そうすればマンション投資の収益力が丸裸だ』
第一に、実質利回りを計算するにあたって、入居率と相場家賃を予測します。
エリア特性にあわせて、入居率と相場家賃をボクはこう予測しました。
- 入居率:95%
- 相場家賃:6万円
不動産管理会社に支払う管理委託手数料は5%。
マンション購入諸費用は75万円としましょう。
表面利回りが7.3%であるため、まずますの投資物件に見えましたが、相場家賃で実質利回りを計算すると3.8%でした。
コチラの記事を基準では投資不適格な物件です。
『不動産投資初心者必見!失敗しない利回り最低ラインの見極め方』
オーナーチェンジ物件の家賃はオマケ
オーナーチェンジ物件の場合、相場家賃で利回り計算しないと後で大失敗することが分かったでしょう。
ただ、オーナーチェンジ物件の入居者が10年以上前から住んでいる場合、そのまま借り続けてくれる可能性も高いです。
しかし、その入居期間はオマケであり、いつか退去して相場家賃に修正されることを忘れてはなりません。

そういうオーナーチェンジ物件を数室購入しているよ。
退去されるのが恐怖で仕方ないね。
2019年中には投下資金を回収できるので、それまでは退去しないでいただきたい!
『初心者も納得!オーナーチェンジ物件が空室物件より安い理由』
まとめ
- オーナーチェンジ物件は、現在の家賃に期待してはいけない
- オーナーチェンジ物件の利回り計算は、相場家賃を使わなくてはならない
- 相場家賃を使って利回り計算をしておけば、その入居者が退去しても、今後のキャッシュフロー計画に大きな影響を与えない