サラリーマンが投資用マンションの運営を自分で行うと、サラリーマン業に支障をきたしたり、貴重な休日がうばわれます。
だから、マンション運営は手数料を支払って管理会社に任せるのが普通です。
管理会社の入居付けの強さを測る指標が入居率です。
- 入居率はどれくらいを見積もればいいのでしょうか？
- どこの管理会社に任せれば、高い入居率をキープできるのでしょうか？
不動産投資家ならどちらも興味深い。
そこを付いて、入居率98％・99％以上をうたう管理会社もあります。
でも、それは本当なのでしょうか？
投資家のいう入居率
不動産投資家のいう入居率とは「家賃が入ってきている期間が、入退去1サイクルでどのくらいの期間あるか」でしょう。
計算式で表すと、こんな感じです。
＝[家賃発生期間]÷[入退去1サイクル]×100
投資家のいう入居率98％
例えば、入居者が退去するまでの入居期間を3年とすると、入居率98％（空室率2％）をキープするためには空室期間は22日以下でなければならなりません。
つまり、投資家のいう入居率98％とは、1戸あたり1サイクルの間に22日だけ空室が発生するということになります。
入退去のサイクルが3年であるなら「入居率98％は退去してから次の入居者に約1カ月かけずに、原状回復→入居申込→契約→入居を完了させなくてはならい」ということです。
もし、更新を迎える2年で退去されたなら、入居率98％をキープするためには約半月（15日）で入居させなくてはならなくなります。
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管理会社のいう入居率
管理会社は投資家から多くの部屋を預かっているので、1戸単位で入居率を算出していません。
多くが管理戸数単位です。
つまり、管理会社の入居率とは「全管理戸数の中でどれだけ入居しているか」その割合です。
管理会社の入居率はこの計算式で計算できます。
管理会社の「入居の定義」はあいまい
不動産投資家のいう入居とは「実際家賃が入ってきている状態」をいうと先に書きました。
家賃が入ってこないことには、キャッシュフロー（儲け）を得られないし、不動産投資の目的がキャッシュフローであることが多いからです。
『マンション投資はキャッシュフローが命！初心者はこう計算すれば楽勝だ』
しかし、管理会社の入居の定義はさまざまで、これ！という業界基準がありません。
- 賃貸契約が成立した時点で入居。
（家賃発生は先） - フリーレント期間中であっても入居。
（家賃は発生していない） - 滞納されていても入居。
（家賃は発生していない） - 退去していても、原状回復工事が完了して募集をかけるまでは入居。
つまり、ボクたち投資家のいう入居と管理会社のいう入居にギャップがありので、管理会社が入居率98％99％をうたっていても、それは参考程度にしかならないのです。
さらに、入居率を98％99％に近づけるさまざまな裏技もあります。
管理会社の入居率をあげる裏技
管理会社の入居率は入退去を管理する営業マンの成績そのものです。
そのため、営業マンは入居率を上げる努力を怠りません。
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しかし、ホワイトな方法で入居率が維持されているのであれば問題ありませんが、ブラックな手法で入居率を維持する方法もあります。
その方法を4つ挙げてましょう。
相場家賃より低い家賃で入居者を募集する
相場より低い家賃を設定すれば、投資家の利益は減るが管理会社の入居率はアップする。
理由もなく相場家賃より低いマンションがあれば、誰でもが住みたいはずだからです。
『初心者必読！オーナーチェンジ物件の利回り計算は相場家賃を使おう！』
相場より高い広告料を使う
周辺より高い広告料を設定すれば、賃貸会社の営業マンのプッシュは強烈に強くなります。
しかし、広告料1カ月でOKなエリアで2カ月支払ったなら、1カ月空室期間があったのと同じです。
『脱・無駄使い宣言！賃貸マンションの広告料相場と最適な投資戦略とは？』
現状回復、リフォームのグレードが高い
原状回復はともかく、リフォーム（設備の入れ替え、追加）は費用対効果を常に考えなくてはなりません。
『知らなきゃ損！マンション経営でかかる運営費（ランニングコスト）の正体』
不必要なフリーレントをすすめる
家賃を下げずに入居率を上げるのに有効なのがフリーレントですが、不動産投資家とってフリーレント期間は空室と同じです。
ちなみにフリーレントとは、入居後一定期間の家賃がゼロ円になるシステムのことをいいます。
入居の定義、入居率の計算式の確認は必須
管理会社の悪口記事のようになってしいました。
でも、要点はひとつです。
管理会社のいう入居率をうのみにせず、「入居の定義」と「入居率の計算式」の確認は必須でということです。
人のいうことをうのみにせず、裏は自分でとらなければならないよ。
しっかりした管理会社なら、それをクリアにしてくれるでしょう。
反対に、怪しい管理会社は「入居の定義」や「入居率の計算式」にムリがあるでしょう。
もしくは、まともに教えようとしないかもしれません。