利回り星人@ぴろりです。
不動産投資は利回りやキャッシュフロー(儲け)に注目がいきますよね?
- 高利回りの物件が欲しい。
- キャッシュフローが多い物件が欲しい。
しかし、不動産投資はキャッシュフローが贅沢な高利回り物件が勝つとは限りません。
不動産投資は購入、運営、売却の3点セットで勝敗が決まるからです。
もし、この3点セットを考慮して、不動産投資の勝敗を予測できる方法があったとしたらどうですか?
当然、知りたいですよね。
それが、全期間利回り(IRR)なのです。
さあ、始めましょう。
不動産投資の利回りは購入時のシミュレーションでしかない
全期間利回り(IRR)の解説の前に、不動産投資の利回りの問題点を整理しておきましょう。
不動産投資の利回りは明確なルールがないため、ざっとこれくらいはあります。

リンクをクリックすると、各利回りの解説記事へジャンプするよ。
しかしながら、これらの利回りは購入時の瞬間的シミュレーションに過ぎず、購入5年後・10年後と続くわけではなく、徐々に下がるのが普通です。
物件(建物・設備)の経年劣化とともに、
- 家賃や入居率は下がる。
- ランニングコストは上がる。
- 最終的に利回り・売却価格が下がる。
言い換えれば、購入初期の瞬間的な利回りが良好で多くのキャッシュフローを得られていたとしても、その後の運営や売却の失敗で大損することもあるということです。
ここで登場するのが、全期間利回り(IRR)という考え方です。
不動産投資の全期間利回り(IRR)とは?
その不動産投資を実行すれば、投資全体(購入・運営・売却)で毎年どのくらいの利回りが期待できるか?
不動産投資の全期間利回りはこれを明らかにします。
言い換えると、全期間利回りとは、購入・運営・売却までを含めた、総合的な利回りのことです。
つまり、全期間利回りにおいては、こういう公式がなりたちます。
「全期間利回りの計算式:〇=▽ × □」と示すのがボクのブログのパターンですが、全期間利回りの計算式は複雑怪奇なので割愛します。
全期間利回りはエクセルで簡単に計算できますので、それをマスターするほうが手っ取り早いです。
不動産投資の全期間利回り(IRR)の計算準備を始めよう
エクセルで全期間利回りを計算するために、3つのデータを用意しましょう。
- 自己資金(初期投下資金)
- 毎年のキャッシュフロー
- 売却益
自己資金の計算
あなたは地方都市にある表面利回り8.2%の築10年の築浅ワンルームマンションを、融資を使って購入する予定です。
- 価格:1020万円
- 年間家賃:84万円
融資条件はこうです。
- 融資金額:840万円(8割融資)
- 金利:2.425%
- 期間:30年
購入諸費用は100万円と仮定して、自己資金を計算しましょう。
=物件価格 + 購入諸費用 - 融資金額
=1020+100-840
=280万円
年間キャッシュフローを計算
運営条件はこう予測しました。
- 家賃下落率:年1.5%(※)
- 運営費率:家賃の30%
- 年間ローン返済金:39.4万円
初年度の年間キャッシュフローを計算してみます。
=家賃 - 運営費 - ローン返済金
=840,000 -252,000 -394,356
=193,644円
『不動産投資歴10年が直伝!ワンルームのキャッシュフローの計算方法』
同様に、各年のキャッシュフローを計算して表にまとめるとこうです。
キャッシュフロー | |
---|---|
1年目 | 193,644 |
2年目 | 184,824 |
3年目 | 176,136 |
4年目 | 167,579 |
5年目 | 159,150 |
6年目 | 150,847 |
7年目 | 142,669 |
8年目 | 134,614 |
9年目 | 126,679 |
10年目 | 118,864 |

この表もエクセルで簡単に計算できるよ。
このことを考慮しないでマンション投資を行うと、確実に失敗します。
『新築ワンルーム投資は失敗する!借金地獄の世界をノゾいてみる?』
売却益を計算
10年後、あなたはこのワンルームマンションをこの条件で売却できると予測しました。
- 譲渡価格:1020万円
- 売却費用:40万円
売却益を計算してみましょう。
=(譲渡価格 - ローン残債) - 譲渡費用
=(1020-624)-40
=356万円
『マンション投資は融資を味方に付けよ!税引き後売却益の計算方法はこう』
ついに、データがそろいましたね。
さあ、この不動産投資の全期間利回りをエクセルで計算してみましょう!
[本番]全期間利回り(IRR)をエクセルで計算しよう
この不動産投資の現金の流れをグラフにまとめるとはこうです。
また、この不動産投資のアウトラインを数字で書くとこうです。
- 自己資金280万円で不動産投資に参入する(購入)
- 10年間で156万円の運用益を得る(運営)
- 356万円の売却益を得る(売却)

これをエクセルに記入して、全期間利回り(IRR)を計算するよ。
上図のエクセルでは、計算範囲はB1~B12です。
だからB13に「=irr(B1:B12)」と入力しています。
B1は「280万」ではありません。「-280万」です!

すると、エクセルは下図のように「IRR=7.1%」と答えを返します。
ここ結果から
この不動産投資を実行すると、10年間全体で毎年7.1%前後の利回りが期待できることが分かります。
人気『リノシー資料請求した?失敗しない不動産投資の理由がココにあった!』
全期間利回り(IRR)のまとめ

アカン。
この記事、理屈っぽくて全然意味不明やわ。

とりあえず、最後まで読んでくれてありがとう。
確かに謎の数字が出てきて、よくわからなかったと思う。

途中に出てきたリンクをたどれば、いつか読めるようになるよ。
この記事が分かるようになれば、不動産業者の餌食にはならないよ。ガンバレ!
全期間利回り(IRR)をまとめるよ。
不動産投資の利回り(表面、ネット、グロス、実質、自己資金…)は購入した瞬間のシミュレーション結果にすぎない。
だから、全期間利回りを使って、不動産投資全体の利回りを考えることが重要なんだね。
全期間利回りの計算は、自己資金・キャッシュフロー・売却益の3つのデータが必要だけど、エクセルを使えば簡単に計算できるよ。