サラリーマンに馴染みのない言葉に「減価償却」という言葉があります。
普通にサラリーマンを続けるなら、この言葉を深く理解する必要ありません。
しかし、あなたが不動産投資家もしくは不動産投資家の卵であるなら、興味を持たなくてはなりません。
減価償却費は「不動産投資の節税の要」だからです。
不動産投資の減価償却を正しく理解できれば、税金面で有利に戦うことができます。
反対に、減価償却の理解が不十分だと、余計な税金を払う羽目になります。
本記事を最後まで読めば、不動産投資の減価償却の不思議が理解できます。
では、始めましょうか!
不動産投資の減価償却とは?
ワンルームマンションやアパートが建っている土地は消滅することはありませんが、建物本体と付帯設備(キッチン、トイレ、ユニットバスなど)は時間とともに価値がなくなり、最終的に使えなくなります。
時間とともに減少した価値分だけ、毎年経費として計上するのです。
その手続きを減価償却といい、その経費(費用)を減価償却費といいます。
このように、価値が減少して最後にゼロになる資産を固定資産というよ。
<補足>
付帯設備の減価償却方法「定率法(毎年、一定割合の減価償却費を計上する)」は、平成28年3月31日を持って終了しました。
つまり現在は、建物本体と付属設備の減価償却は「定額法(毎年、一定額の減価償却費を計上する)」に一本化されたということです。
不動産投資の減価償却費と耐用年数
建物などの固定資産は、ある一定の年数が経過すると無価値になることが分かりましたか?
その無価値になるまでの期限(年数)を法定耐用年数(以下、耐用年数)といいます。
減価償却費は耐用年数分に分けて計上します。
例えば、鉄筋コンクリート造の新築ワンルームマンションの耐用年数は47年と決まっているので、47年(毎年1回減価償却するから47回)かけて減価償却するのです。
不動産の耐用年数は、建物の構造と用途で決まってるよ。
主にワンルーム投資
- 鉄骨鉄筋コンクリート=47年
- 鉄筋コンクリート=47年
主にアパート投資
- 鉄骨(4mm超)=34年
- 鉄骨(3mm超)=27年
- 鉄骨(3mm以下)=19年
- 木造=22年
国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」より抜粋
不動産投資では減価償却をこう使う
マンション取得価格を土地・建物に分けて減価償却する
不動産契約書の多くは土地建物のセット表示で、その典型的な例がワンルームマンションです。
先に解説した通り、減価償却費を計上できるのは建物のみです。
だから、減価償却費を計算するためには、マンション取得価格を土地・建物に案分しなければなりません。
『税務署も脱帽!中古マンションの価格を土地・建物に按分計算する方法』
マンション取得価格を土地・建物・設備に分けて減価償却する
マンション取得価格を土地・建物・設備の3つに分けることができれば、減価償却のスピードは加速します。
設備の耐用年数は、建物の耐用年数より短いからです。
『中古マンションを建物(躯体)と設備に按分計算!減価償却費はこれだけ増える』
ワンルーム投資では「取得価格を土地・建物に分けるより、土地・建物・設備に分けた方が節税できると」解説されていることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
バランスを欠いた按分をすれば、節税に失敗するのです。
『検証!マンションは建物と設備に分けて減価償却すれば節税できる?』
不動産の減価償却費の計算する
確定申告で最も厄介なところがここ「減価償却費の計算」です。
『5分で達人級!中古マンションの減価償却費の計算方法を不動産投資家が解説』
売却と減価償却費
減価償却費を多く取れば、その年の節税は奏功します。
しかし、調子に乗って減価償却費を多く取り過ぎると、こういう目に合うのでご注意ください。
『不動産売却と減価償却費の落とし穴!節税を期待していたのに逆効果に?』
不動産所得の損益計算書
減価償却ワードは、不動産投資家が苦手とする確定申告(不動産所得の損益計算書)に必須の知識です。
『サラリーマン必見!ワンルーム投資のための損益計算書の書き方入門(R5年確定申告分)』
減価償却の基礎のまとめ
減価償却はホントに奥が深いだろ?本記事をまとめるとこんな感じだね。
- 土地は減価償却できない。
- 減価償却するのは不動産の建物(建物本体+付帯設備)のみ。
- 減価償却費とは固定資産の劣化費用のこと。
- 劣化して価値がなくなるまでの期間を耐用年数といい、減価償却期間(回数)は耐用年数で決まる。
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