好きな言葉は「満室・好利回り・節税」の@ぴろりだ。
長年サラリーマンを続けると、ある程度の収入を得られるようになる。
同時に、税金(所得税・住民税)が、やたらと増えたことにも気が付くようになる。
実際、日本の税金制度は超過累進税制であるため、所得が上がれば税金(所得税)は結構な勢いで増えていく。
所得税負担の重くなる第一ステップは、税率10%から20%になる所得330万円のラインだ。
そして、第二ステップは、税率23%から33%になる所得900万円のラインである。
この900万円のラインを超えてくると、所得税・住民税で43%となる。



つまり、
稼いでも稼いでも、半分近くは税金で持っていかられてるんだよ。
本格的に節税を意識しなくてはならないだろう?
職場にかかる節税対策電話
所得税率10%から20%になる330万円のラインを超えてくるのは、年収ベースで600万円を超えたあたりだろう。
ワンルームマンション投資用のローンを組むためには500万円くらいの年収は欲しいので、区分マンション投資を始めるにはちょうどいい。
そして、それを見透かしたように職場に電話がかかってくる。



ワンルームマンション投資で節税しませんか?
ワンルームマンション投資の節税効果
「ワンルームマンション投資をすれば節税できる」これはウソではない。
ただし、節税できるのは購入して2年程度である。



ホンマ?何でそう言いきれるん?



実際にワンルームマンション投資の節税効果を計算して、節税金額を確かめたんだ。
それがこの記事だよ。
職場にマンション投資の勧誘営業を掛けてくるのは、新築ワンルームマンション業者がほとんどである。
だから、今回は新築ワンルームマンションを購入したことを想定してシミュレートした。
キャッシュフローと不動産所得は違う
収支計算には「キャッシュフローの計算」と「不動産所得の計算」がある。



この2つは混同しやすいよ。
違いが分からない初心者投資家は、こちらの記事チェックしよう!
新築ワンルーム投資1年目の節税効果
あなたはフルローン(金利2%、期間35年)で2500万円の新築ワンルームマンションを購入した。
果たしてどれくらい節税できるのだろうか?



さっそく計算してみよう。
新築ワンルームマンション投資1年目の収支はこのとおりだ。
収入 | 年間家賃 | 120万円 | |
---|---|---|---|
支出 | 運営関係 | 管理委託手数料 | 6万円 |
管理費 修繕積立金 | 12万円 | ||
ローン返済 (金利分) | 49万円 | ||
減価償却費* | 30万円※ | ||
購入関係 | 管理準備金 修繕積立基金 | 30万円 | |
登記関係費用 | 25万円 | ||
ローン手数料 | 25万円 | ||
その他の費用 | 3万円 |



『不動産投資の減価償却費がチンプンカンプン?初心者はこう整理しよう!』
ワンルームマンションは、建物と設備にわけて減価償却する節税スキームもあるが、今回は分割しないオーソドックスな減価償却の仕方を選んだ。
[収入-支出]を計算すると、60万円の赤字である。



あなたが所得税率20%のサラリーマンなら、赤字の30%分の節税ができるよ。
だから、節税額は18万円だ。
(60万円×30%=18万円)



あなたが所得税率33%のサラリーマンでなら、赤字の43%分の節税ができるよ。
だから、節税額は25.8万円である。



節税のカラクリはこちらの記事で解説しているよ。
『節税の仕組み | サラリーマンが「ワンルーム投資」をすると税金はどう変わる?』
ただ、このワンルームマンション投資の節税スキームは、購入関係の経費83万円に頼っている。
さあ、2年目はどれくらい節税できるだろうか?



ちょっとワクワクしてきたね。
新築ワンルーム投資2年目の節税効果
新築ワンルームマンション投資2年目の収支はこうなる。
収入 | 年間家賃 | 120万円 | |
---|---|---|---|
支出 | 運営関係 | 管理委託手数料 | 6万円 |
管理費 修繕積立金 | 12万円 | ||
ローン返済 (金利分) | 49万円 | ||
減価償却費 | 30万円 | ||
固定資産税 | 7万円 | ||
購入関係 | 不動産取得税 | 15万円 |
新築ワンルーム投資2年目は購入諸費用がなくなり、代わりに不動産取得税を経費計上することが多い。
今回の新築ワンルーム投資では、購入2年目に節税に失敗した。
『新築ワンルーム投資の3大セールストーク「節税、年金、保険」は失敗への誘いだ』
新築ワンルーム投資3年目~の節税効果
新築ワンルームマンション投資3年目以降は、いよいよ不動産取得税も計上できなくなる。
ただ、3年目くらいになると、入居者が退去して空室になるため、あらたな赤字材料が出て節税できるかもしれない。
しかし、空室期間は家賃が入ってこないため、キャッシュフロー計算でマイナスになる。
いくら節税できたとしても、マイナスキャッシュフローを出した時点で、その不動産投資は失敗である可能性が高い。
特に、新築ワンルーム投資においては。
『新築ワンルーム投資は失敗必至!借金地獄の世界をのぞいて見る?』
まとめ
新築ワンルームマンション購入1年目はたくさん節税できるよ。
購入諸費用という支出が多くかかるからね。
でも、2年目になると購入諸費用(支出)が極端に減るから、あまり節税できないよ。
つまり、新築ワンルームマンションで節税できるのは購入1~2年目であり、期待どおりの節税はできないんだ。
新築ワンルームマンションを節税目的に買うなら、1.2年に1回買い増ししていかなくてはならないってことだね。