不動産投資と聞いて、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
安定した収入?
将来への安心?
ローリスク・ミドルリターン?
そんな中「マイナスキャッシュフロー物件」を意図的に選択するなんて、正気の沙汰ではないと思われるかもしれません。
しかし、その狂気の沙汰とも思わる選択は、ボクの不動産投資を新たなステージに導く鍵かもしれません。
2019年、ボクは衝撃的な決断をしました。
ずっと守ってきた「キャッシュフローはプラスであるべき」という鉄則を破り、意図的にマイナスキャッシュフローの物件を購入したのです。
この不動産投資は無謀に見えますが、その背後にはある確固たる戦略がありました。
- 家賃収入:75万円
- 管理委託手数料:4万円
- 管理費・修繕積立金:12万円
- 固定資産税:2万円
- ローン返済:60万円
- キャッシュフロー:-3万円
この記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、なぜ「禁断」とも言えるマイナスキャッシュフロー物件の投資に踏み切ったのか。
そして、マイナスキャッシュフロー物件が、ボクの不動産投資ポートフォリオにどのような価値をもたらしたのかを明かします。
不動産投資の初心者には決してお勧めできないこの戦略ですが、正しい知識と準備があれば、不動産投資の常識を覆す可能性を秘めています。
不動産投資の世界には、あらゆるリスクが投資家を襲います。
しかし、そのリスクを理解し、上手に操ることができれば、誰もが見過ごす隙間から大きなチャンスを掴むことができるのです。
この記事を最後まで読んで、マイナスキャッシュフロー物件購入の裏に隠された戦略を堪能してください。
では、はじめましょう。
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今回の不動産投資の収支がマイナスキャッシュフローになる理由
今回の不動産投資の収支が、マイナスキャッシュフローになった理由は3つあります。
- 都内好立地のため、低利回りだったから
- 築古物件だったので、ローン返済期間が短かかったから
- 物件評価が高かったため、ほぼフルローンで買ったから
ローンの違いはコチラ
不足分のみ借りるローン
購入諸費用以外はすべて借りるローン
自己資金と購入諸費用も含めて借りるローン
不動産投資の初心者は、こちらの記事のチェック推奨!
『不動産投資の大損を回避!ワンルームマンションのキャッシュフロー計算方法』
①都内好立地物件は利回りが低いから
2019年の不動産投資は立地を重視したため、利回りが低かったのです。
でも、この最低利回りはクリアしているよ。
『不動産投資初心者必見!失敗しない利回り最低ラインの見極め方』
②築古物件はローンの返済期間が短いから
「中古不動産投資の融資の返済期間」は築年数に比例することが多いです。
「物件が新しければ融資期間は長く、古ければ融資期間は短い」といった具合にです。
2019年に購入した物件は、新耐震基準ギリギリの1984年築です。
だから、融資期間が非常に短く、家賃収入のほとんどがローン返済に当てられました。(これが、築古不動産投資の弱点なんですですけどね…。)
※INVASE バウチャーサービスを使えば、あなたが借りられる融資枠の目安がわかります。
③ほぼフルローンで買ったから
昨今、都心のワンルームマンションの物件評価方法が見直されつつあります。
その追い風を受け、自己資金をほとんど投入することなくほぼフルローンで購入できました。
フルローンいけたんだけど、
気持ち悪かったので、少しだけ自己資金を投入したよ。
不動産の評価方法は主に3種類あり、多くの銀行が重視しているのは、積算評価(担保評価)です。
- 積算評価(銀行向け)
- 収益還元評価(投資家向け)
- 取引事例比較評価(一般向け)
中古築古ワンルームマンションは価値が異様に低く評価されることが多く、銀行からの融資が受けにくい状況でした。
しかし最近、投資マンションを扱う銀行では、物件が生み出す収益をどれだけ重視するか、つまり「収益還元評価」を大切にするように変わってきています。
この評価方法では、物件から得られる収入が高評価のポイントになります。
そのため、たとえ小さくても都心にあり家賃収入が見込めるワンルームマンションには、打って付けの評価方法なのです。
マイナスキャッシュフロー物件を買った2つの理由
①他の物件の収益で、マイナスキャッシュフローを補えるから
少しだけ、PRさせてください!
2019年現在、数百万円のキャッシュフロー(儲け)が所有不動産から発生しています。
関連『マンション投資の収支を初公開!サラリーマン大家兼ブロガーでもこれだけ稼げます』
関連『東京不動産投資の収支を公開!儲からないとは言わせない』
うざっ!
だから、そのキャッシュフローを使って、このワンルームマンションのマイナスキャッシュフローを支えればノープロブレムです。
言いかえれば、この不動産投資がマイナスキャッシュフローであっても、金銭的なリスクはほぼゼロなのです。
実は、2022年に繰り上げ返済してプラスキャッシュフローにしたんだ。
精神的に気持ち悪かったから。
詳しくは下の記事で。
『サラリーマンの不動産投資はやめとけ?2022年年末に考えた』
②残債減少スピードが物件価格の減少スピードより速いから
ローン返済金60万円のほとんどは元金返済に充てられ、ローン残債はガンガン減っています。
- 元金返済:40万円
- 利息返済:20万円
返済期間の短縮はキャッシュフローに悪影響を与えますが、残債の減少スピードには好影響を与えるのです。
そして、築古物件の価格はほぼ底値であるため、価格が大きく値下がることはありません。
まとめると、マイナスキャッシュフローは不本意ですが、時間の経過とともに含み益(含み資産)が拡大していくのです。
ここでひとつ付け加えるよ!
築古不動産投資のように、収支がマイナスキャッシュフローになりがちの不動産投資があります。
それは、新築不動産投資です。
しかしながら、この2種類の不動産投資は収益構造が根本的に違います。
不動産投資の種類 | 価格 | 価格下落 | キャッシュフロー | 売却益 |
---|---|---|---|---|
築古 | 安い | 少額 | マイナス | ○ |
新築 | バカ高い | 多額 | マイナス | ✕ |
新築不動産投資は、どこに利益を求めればいいのでしょうか?
新築不動産投資は手出ししてはいけません。絶対に!
詳細『新築不動産投資は失敗する!借金地獄の世界をノゾいてみる?』
マイナスキャッシュフロー物件の戦略
最後に、このマイナスキャッシュフロー物件投資をシミューレーションソフトを使って検証してみましょう。
まず、データをシミューレーションソフトに入力します。
※立地がよくて築古なので、空室率は3%・年間家賃下落率は0.2%で計算しています。
※管理費・修繕積立金の合計は10100円です。
この不動産投資のシミューレーション結果がこちらです。
ローン返済中はマイナスキャッシュフローが続きますが、ローン返済後はプラスキャッシュフローです。
また、ローン返済中はマイナスキャッシュフローが続き、累計で110万円を超えます。
しかし、このマイナスキャッシュフローは他の物件のキャッシュフローでリカバリーできるので問題ありません。(でしたよね)
着目すべきことは上記のシミューレーション結果ではなく、見えない価値である含み資産(含み益)です。
「含み資産」とは、ローンの残りの支払いを差し引いて残る利益のことです。
簡単に言うと、売却から得られる実際の価値や利益のことを指します。
このマイナスキャッシュフロー投資開始2年目までは含み資産がマイナスですが、3年目からは含み資産がプラスなのです。
この物件が築70年まで維持されるかはわからないけど、35年の不動産投資期間中に1000万円以上の利益を得られる可能性があるんだよ。
マイナスキャッシュフロー戦略のまとめ
不動産投資のキャッシュフローはプラスであるべきだけど、フルローンを使って立地にこだわった投資をすれば、収支がマイナスになることもあるんだ。
ボクは2つの理由でこのマイナスを受け入れたよ。
- 他の不動産のキャッシュフローが豊富だから
- 残債の減るスピードが価格下落スピードより速いから
でも、初心者のサラリーマン投資家は絶対にマネをしてはいけないよ。
初心者は、まず自己資金を多く投じ、融資の期間を長く設定することで、キャッシュフローをプラスに保つことが重要だから。
これにより、財務的なリスクを低減しながら、不動産投資の基礎を学び、経験を積むことができるんだよ。
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