本記事は「不動産投資とデッドクロス」第一話です。
2018年からデッドクロスの仲間入り@ぴろりです。
不動産投資はいつでも倒産体質です。
なぜなら、不動産投資は購入した瞬間が収益力Maxで、それから収益は下がり続けるからです。
さらに、デッドクロスが発生すると、不動産所得が税引き前キャッシュフローを上回り、税金が原因で黒字倒産も起こります。
なぜでしょうか?
不動産投資のデッドクロスとは?
不動産投資のデッドクロス(dead cross)とは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るその瞬間をいいます。

それがどうしたん?

まあまあ焦らずに。
順番に解説していくからね。
不動産投資でデッドクロスが起こる原因
不動産投資に利用される融資は元利均等返済型がほとんどです。この融資タイプがデッドクロスを起こさせるのです。
不動産投資の減価償却費は一定です。(定額法)
一方、不動産投資の融資は元利均等返済(ローンの元金と利息を均等に返済する方式)が多いため、ローン返済が進むとともに元金返済は増えます。
したがって、融資を利用してマンション経営を始めると、元金返済が減価償却費を超える日が訪れるのです。
不動産投資はデッドクロスから税金との戦いが始まる
不動産投資は税金との戦いとよく言いますが、本当の戦いはデッドクロス発生後です。
不動産投資のローン返済には元金返済と利息返済がありますが、不動産投資で経費にできるのは利息返済だけです。
だから、経費にできない元金返済が減価償却費を超えると(デッドクロスになると)、不動産所得は税引き前キャッシュフローを上回ります。
不動産所得 > 税引き前キャッシュフロー
すると、その不動産投資を行うことで、余計に税金を支払う羽目になるのです。

はぁ?

実感しづらいよね?
ワンルーム投資をつかって解説するよ!
実例!ワンルーム投資のデッドクロス
あなたは金利2.5%・期間20年の融資を利用して、この条件のワンルームマンションを購入しました。
- 年間家賃:72万円
- 年間運営費:20万円
- ローン金額:720万円
- 減価償却費:30万円
投資1年目のローン返済の内訳はこの通りで、デッドクロスは起こっていません。
- 元金返済:281,044円(< 30万円)
- 利息返済:176,789円
しかし、投資4年後にデッドクロスが起こります。
- 元金返済:302,911円(> 30万円)
- 利息返済:154,922円
このワンルーム投資を表にまとめるとこうなります。
投資後 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
---|---|---|---|---|---|
家賃 | 720000 | ||||
ランニングコスト | 200000 | ||||
利息返済 | 176789 | 169682 | 162395 | 154922 | 147264 |
元金返済 | 281044 | 288151 | 295438 | 302911 | 310569 |
減価償却費 | 300000 | ||||
BTCF | 62167 | ||||
不動産所得 | 43211 | 50318 | 57605 | 65078 | 72736 |
税金(税率30%) | 12963 | 15095 | 17282 | 19523 | 21821 |
ATCF | 49204 | 47072 | 44886 | 42644 | 40346 |
税引き前キャッシュフロー(BTCF)、不動産所得、税金、税引き後キャッシュフロー(ATCF)のくわしい解説はコチラの記事を参照してください。

デッドクロスが起こった4年目以降は、【不動産所得 > 税引き前キャッシュフロー(BTCF)】になっているのが分かるだろう?
ワンルーム投資4年目では、税引き前キャッシュフロー62167円に対して不動産所得65078円です。
言い換えると、現実では62167円しか稼いでいないにもかかわらず、会計上は65078円稼いだ(不動産所得=65078円)とみなされるのです。
その結果、儲けに合わない税金が課されてしまうのです。
関連『東京中古ワンルームで節税失敗!嘘だろ?いきなりデッドクロスかい!』
まとめ
デッドクロスとは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るその瞬間をいうよ。
でも、融資を利用して不動産投資を続けると、デッドクロスは必ず起こるよ。
不動産投資の減価償却費は一定にも関わらず、元金返済は少しずつ増えるからね。
デッドクロスが起こると、それ以降の不動産所得が税引き前キャッシュフローを上回り、多くの税金が課されるよ。