中古マンションの価格は、土地価格と建物価格の総和ですが、実際にそれぞれ土地いくら、建物いくらと契約書に明記されていることはまれです。
しかしながら、減価償却費や譲渡所得を計算する上では、土地価格と建物価格を知る必要があります。
つまり、「マンション価格」を「土地価格」と「建物価格」に按分する作業が必要となるのです。
そこで今回の記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、税務署も黙る必殺の按分方法をご紹介します。
この記事を最後まで読むことで、あなたが購入した中古マンションの価格を、正確に土地価格と建物価格に分けることができるようになります。
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さあ、それでは始めましょう!
YouTubeの解説版もあります!
土地・建物の按分方法に、絶対的なルールはない

国税庁のHPでは、土地建物の按分方法を3種類例示しています。
- 譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
- 相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
- 土地、建物の原価を基にした按分
国税庁「課税標準」より
このことからも、土地建物に按分する絶対的なルールはないことが分かります。
ただ、サラリーマン大家であるボクたちが、中古マンションの時価や原価を導き出すのは困難です。
おのずと、最後に残る「2.相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分」が、後で税務署と揉めないための合理的な按分方法となります。
本記事は、固定資産税評価額(固定資産評価証明書の評価額)を使って、中古マンションの価格を土地建物に按分計算する方法を解説します。
中古マンションの土地建物按分計算は「固定資産評価証明書」を使う

固定資産評価証明書とは、国が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された証明書のことです。
固定資産評価証明書の評価額(以下、評価額)は、その不動産の土地建物に課税される固定資産税の根拠となっています。
評価額は一定ではなく、3年に1回見直されます。
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つまり、2021年→2024年→2027年…ってことだね。
<固定資産評価証明書の記載内容>
- 土地
所有者の住所・氏名、土地の所在地、地目、地積、評価額、共有土地の持ち分 - 家屋(マンションの建物のこと)
所有者の住所・氏名、家屋の所在地、部屋番号、種類、構造、床面積、評価額

本記事はボクが所有する大阪市中央区の区分マンションの固定資産税評価証明書を利用するよ。
中古マンションの土地建物の評価額を計算する方法

土地と建物、それぞれの評価額の計算方法を解説します。
土地の評価額を計算する方法
中古マンションの固定資産評価証明書(土地)を見てください。

※上図の赤四角が固定資産評価証明書の見るべきところ
土地の評価額は97,178,000円です。
しかし、これは中古マンション全体の土地評価額ですので、ここから自分の土地評価額を計算しなくてはなりません。
次は、固定資産評価証明書(土地)の備考欄を見ます。

共有土地の持ち分は2,726/195,800と記載されています。
つまり、自分の土地評価額は、中古マンション全体の土地評価額に、共有土地の持ち分を掛け算して、1,352,948円ということになります。
=全体の土地評価額×共有土地の持ち分
=97,178,000円×(2,726/195,800)
=1,352,948円
建物(家屋)の評価額を計算する方法
次は、中古マンションの固定資産評価証明書(家屋)を見てください。

※上図の赤四角は固定資産評価証明書の見るべきところ

建物評価額は計算不要!
もろに書いているね
この中古マンションの建物評価額は2,719,000円です。
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中古マンションの土地建物の按分割合を計算する方法

中古マンションの土地建物の按分割合はこう計算します。
=土地の評価額 ÷ 土地建物の評価額
=1,352,948 ÷ (1,352,948+2,719,000)
=0.332 → 33.2%
=建物の評価額 ÷ 土地建物の評価額
=2,719,000 ÷ (1,352,948+2,719,000)
=0.668 → 66.8%
この中古マンションの土地建物の按分割合は、土地33.2%と建物66.8%と計算できました。
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中古マンションの価格を土地建物に按分する方法

中古マンションの価格を土地建物に按分する方法は簡単です!
中古マンションの価格と先ほど計算した土地建物の按分割合を掛け算するだけだからです。
もし、中古マンションの価格が1000万円だった場合、土地と建物の価格はこう計算します。
- 土地価格=3,320,000円
(1000万円×33.2%) - 建物価格=6,680,000円
(1000万円×66.8%)
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【まとめ】土地建物の按分方法と、あなたの“次の投資”を成功させる秘訣

この記事で、確定申告に不可欠な「土地建物の按分」という専門的なスキルをマスターしたはず!
でも、同時にこうも感じたのではないかな?
「不動産投資って、物件を買った後もこんなにやることがあって大変なんだな…」って。
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今回学んだ知識を活かして、「次の賢い一手」の準備を始めるてみない?


