高利回り物件を熱望する不動産投資家を指す隠語に「利回り星人」があります。
利回り星人にとっては高利回り物件こそが正義で、次の言葉を呪文のように唱え、不動産業者を巡回します。
高利回り物件ありませんか?
条件のいい物件がでたら連絡してください!
X%以上の物件はありませんか?
あなたはそんな不動産投資家ではないですよね?
本来、リスクとリターンは一方を追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないので、高利回り(ハイリターン)ということは、リスクが高い(ハイリスク)ということです。
「ワンルーム投資は高利回りが魅力的だけど、実はそれには大きなリスクが潜んでいる」というのが、不動産投資家の間での暗黙の了解です。
ワンルーム投資は不動産投資の中では少ない自己資金で購入できるので、初心者に人気がありますが、十分な知識とリスクマネジメントが必要です。
高利回りワンルームを追い求めるあまり、リスクを見落としては失敗に垂直ダイブするしかありません。
本記事は、不動産投資家歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、高利回り物件の持つリスクを洗いざらい吐き出します。
初心者からベテランまで、不動産投資家にとって役立つ情報が満載です。
では、始めましょう。
高利回りの基準は市況で決まる!
ボクがワンルームマンション投資を初めた2011年は、表面利回り10%を超える物件が東京でも見つかっていました。
その当時はリーマンショック後の低迷期で、不動産業界は大きな打撃を受けてまだ立ち直れていなかったからです。
今、コンサルタントとして活躍中の「メガ大家さん」も、2010年ごろ不動産投資に参入した方が多いようです。
『メガ大家は儲からない!サラリーマン投資家が知らない衝撃の事実』
今の2023年は状況が全く違います。
ワンルームマンション投資の主戦場である東京23区と大阪6区(北区、中央区、西区、福島区、天王寺区、浪速区)の利回りは下がり続けています。
表面利回りは東京23区で4%~7%、大阪6区では5%~8%程度です。
このような市況の中、このエリアで表面利回り10%を超える物件がでたなら、それはまちがいなく高利回り物件といえるでしょう。
『大阪マンション投資の失敗を回避せよ!買ってはいけないエリアはココだ』
高利回りはハイリスクの裏返しである
他の不動産投資家が敬遠するようなハイリスク物件は、高利回りにしないと売れません。
言い換えれば、他の不動産投資家が避けるリスキーな物件でも、高利回りであれば売れます。
例えば、表面利回り10%以上のワンルームマンションを提案された場合、失敗しないためにこのように考え方を変える必要があります。
- そのような高利回り物件には、何か問題があるのではないか?
- 表面上は高利回りに見えるが、本当はハイリスク物件ではないか?
- そんな条件のいい物件が、なぜ初心者であるわたしに紹介されたのか?
しかし、初心者のサラリーマン投資家にはこの感覚がありません。だから、簡単にだまされてしまうのです。
不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われるため、おおよそのリスクとリターンは決まっています。
もし、あなたが賢明な投資家であったとしても、物件買いたい病にかかっているときは危ないです。
高利回りな理由(リスク)を確かめずにパクッと食いついてしまうからです。
買いたい病とは、購入後の運営と売却のことを忘れてしまい、買うことがゴールになってしまう、不動産投資家を失敗投資家に導く恐ろしい病のことだよ。
実際、自称「失敗しない不動産投資家」であるボクが購入したやや高利回り物件もリスクが隠れていました。
偉そうな記事を書いているボクもプチ利回り星人でよ。
だから、この記事は「自分へのいましめ」でもあるんだ。
- 入居者が外国人
(文化が違うため、他の部屋とトラブルになるリスク) - 入居者が高齢者
(孤独死のリスク)
『ワンルームで事故発生!孤独死で227万円の請求を喰らいヘコむ』
高利回りワンルーム投資が抱える5つのリスク
先に解説したように、高利回りマンションにはさまざまなリスクがあります。
本記事は5つのリスクを抜粋して紹介します。
①立地がハイリスク
ワンルームマンションは単身者が住むため、駅からの距離(時間)は最重要項目です。
だから、駅から遠くなるにつれて利回りは高くなります。
特急電車の停まるターミナル駅から徒歩15分の物件より、普通電車しか止まらないとしても徒歩3分の物件を選ぶよね。
不動産投資家は、駅から遠い物件を避ける傾向があります。なぜなら、入居者も同じように駅から遠い場所を避けるためです。
しかし、駅近でも特定の条件があると、その物件はハイリスクとなります。
駅から徒歩3分と書かれているにもかかわらず、急な坂道があったり、回り道をしなければならず実際には倍以上の時間がかかってしまうような物件です。
そのため、物件を確認することは必要不可欠です。
『ワンルーム投資で失敗するサラリーマン続出!それしたらダメでしょ?』
②周辺環境がハイリスク
以下のエリアのワンルームマンション投資は、リスクが非常に高く、売却できる保証がないため、私は行っていません。
また、銀行からの融資も受けられないため、検討する価値もありません。
- 犯罪率が高いエリア
(近くに簡易宿泊所があることが多い) - 暴力団事務所が多いエリア
(独特の人が大人数で歩いています) - 風俗街が多いエリア
(客引きでわかります)
地名は書けない。すまぬ。
③建物が古く、改修が必要でハイリスク
不動産投資家として見極めなければならない修繕関係の重要事項は3つです。
- 修繕積立金の月額
- 修繕積立金残高
- 大規模修繕履歴
はっきり言います。
修繕積立金月額の安いワンルームマンションは失敗する!
なぜでしょうか?答えは単純です。
修繕積立金が安いと積立修繕金の残高が増えません。
すると、大規模修繕ができなくなってスラム化するか、大規模修繕をするために一時金を徴収されるかの2択しかないからです。
いきなり、数十万の一時金を徴収されたらどうしますか?
もう地獄を見るしかありません。
『ワンルームマンションの修繕積立金は安い?高い?相場はいくら?』
④入居者がハイリスク
ハイリスクな入居者とは、家賃を滞納する入居者のことをいいます。
現在の日本の法律では、すぐに追い出せないため、大家にとっては大きなリスクとなります。
入居者は法律上は弱者であり、大家が強引に取り立てようとすると、お上が介入することもあります。
このような状況は大家にとって非常につらいものであり、現実的な問題となっています。
⑤入居家賃と実質家賃の乖離しすぎてハイリスク
ワンルームマンションを購入する場合、入居家賃と実質家賃の差が少ない物件を見つけることが大切です。
入居者が途中で退去した場合や、想定していた家賃を得られなかった場合など、思わぬリスクが表面化するからです。
オーナーチェンジのマンションでは、入居者が退去するまで家賃が保証されますが、家賃が高すぎると次の入居者がその家賃で入居する可能性は低くなります。
たとえば、現在の入居家賃が7万円だったとしても、次の入居者の家賃が6万円だった場合、月額1万円の減収を受けることになります。
入居家賃と実質家賃の乖離は少ないか?
オーナーチェンジのワンルームマンションを買う場合、これをしっかりと見極めた上で購入しなくてはなりません。
また、空室物件の場合、不動産業者が想定家賃を高く査定することがありますので、自分で再査定を行い、実際の家賃を再査定するしたたかさが必要です。
余談ですが、表面利回りは業者向けの利回りですので、次の4種類の利回りをマスターしてください。
これが計算できるだけで、負動産をつかむ失敗率が格段に減ります。
リンクをクリックすると、各利回りの解説記事へジャンプするよ。
計算が面倒な投資家向けに、不動産投資シミュレーションがあります。
ぜひ、使ってみてください。
高利回りワンルーム投資がハイリスクである理由のまとめ
高利回りマンションのリスクは理解できたかな?
高利回りの逆である低利回りマンションには、本記事で紹介したようなリスクが少ないけど、ある程度の利回りがないと投資として成り立たずに失敗する可能性があるよ。
『不動産投資初心者必見!失敗しない利回り最低ラインの見極め方』
だから、不動産投資は、ほどほどの利回りがベターなの。
初めて不動産投資に挑戦する方は、まずは情報収集やアドバイスを受けることが大切だよ。
ローンに不安があるなら、INVASE バウチャーサービスで自分の融資枠を調べてみよう。
東京の築浅ワンルームを扱うGA technologies に面接に行ったときに聞いた話なんだけど、来店する人のほとんどが不動産を持っていないとのことで、不動産投資会社を訪問する際は気を使う必要はないよ。
リノシー から無料で初心者に役立つ資料をゲットできるから、速めに資料請求しておこう。
自分に合った不動産投資を見つけるには、多くの情報を集める必要があるんだ。
お互いがんばろう!
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