先日書いたコチラの記事。

結構な反響があり、各方面からお問い合わせをいただいています。
初心者はマネしてはいけませんよ!
と記事中にはありますが、都合のいいところだけを切り取って、不動産業者のワンルームマンション販売の促進材料に使われているのだとか…。

某業者さん、やめて。
ということで、今回は先ほどの記事の反対側に立った内容を解説します。
プラスキャッシュフローの重要性です(特に不動産投資初期)。
不動産投資の初心者が陥りやすい失敗のひとつが、マイナスキャッシュフローになってしまうことです。
マイナスキャッシュフローとは、物件から得られる収入が支出を下回る状態を指します。
この状態が続くと、不動産投資のバランスシートが悪化し、最悪破綻する可能性があります。
不動産投資の初心者が失敗する原因の多くは、事前にシミュレーションを行わなかったこと。もしくは、シミュレーションが甘かったことです。
本記事では、不動産投資歴10年の筆者(プロフィール)がマイナスキャッシュフローに陥らないために、注意すべきポイントや対策を紹介します。
最後まで読んでいただければ、不動産投資の成功失敗の多くは「物件選び」と「ローンの組み合わせ」で決まることが理解できます。
では、始めましょう。
不動産投資のキャッシュフローとは?
初心者が陥りやすい罠に、家賃収入とキャッシュフローの違いがあります。
家賃収入とは、入居者からもらう家賃のことですが、そのまま手残りとして残るわけではありません。
賃貸経営にはさまざまな運営費(ランニングコスト)がかかるからです。
家賃から運営費を差し引いた手残りをキャッシュフローといいます。
『失敗しない大家になる!不動産投資で必須のキャッシュフロー計算方法を学ぼう』
また、キャッシュフローには税引前キャッシュフローと税引き後キャッシュフローがありますが、大切なのは税引き後キャッシュフローです。
『【悲報】税引き後キャッシュフロー計算ができなければ大家失格!』
不動産投資の初心者はキャッシュフローで失敗する!
とにかくキャッシュフローを残すこと。不動産投資の初心者はこれを重視すべきです。
先に紹介した記事では、好立地の築古ワンルームマンションをフルローン(頭金なしのローン)&短融資期間で購入しています。だから、マイナスキャッシュフローなのです。
『禁断の不動産投資術!マイナスキャッシュフロー物件を買った2つの理由』
昨今の不動産投資は、キャピタルゲイン狙いからインカムゲイン狙いにシフトしていますが、好立地築古ワンルームマンション投資はその真逆を行きます。
『不動産投資のルール変更!キャピタル狙いからインカムゲインにシフト』
物件の購入価格と売却価格の乖離が少ないことを利用し、残債をガンガン減らすことでキャピタルゲインを狙っているのです。
しかし、不動産投資の初心者は、記事にあるようなマイナスキャッシュフロー投資を行うべきではありません。
キャッシュフローがマイナスになる不動産を持つことは、不動産投資の初心者にとって荷が重く、最悪ローン破綻する可能性があるからです。
不動産投資の初心者がキャッシュフローで失敗する理由
不動産投資家はあらゆるリスクに対応するため、購入直後のキャッシュフローを贅沢にしておく必要があります。
不動産投資(賃貸経営)は買ったその瞬間がキャッシュフローのピークで、少しずつキャッシュフローが減少する右肩下がりのビジネスモデルだからです。
賃貸経営では、賃貸経営を脆弱にするイベント(賃貸下落・空室・修繕費用・広告料・滞納・金利上昇…)が襲い掛かかり、予期せぬマイナスキャッシュフローに襲われることがあります。
それが2.3年の期間であれば、サラリーマンの給与から補填できるかもしれません。
しかし、不動産投資(賃貸経営)は10年以上の長期投資が基本です。

一旦不動産投資を始めると、止めたくてもなかなかやめられないよ!
ボクも売却を検討をした経験が何度もあるけど、結局は保有し続けている。
『ワンルーム投資の出口戦略!だから、ボクは売らないと決めたんだ』
(サラリーマンの)給与からマイナスキャッシュフローへの補填が長期化するとどうなるでしょうか?
資金繰りはひっ迫し、否が応でも物件を売却する羽目になるでしょう。
売却して不動産投資を手じまいできるならまだマシです。
不動産投資の初心者がキャッシュフローが出ない物件を融資を使って買い続けると、最悪ローン破綻します。
新築ワンルーム投資がその典型です。
『衝撃の結末!新築ワンルームマンション投資家の失敗体験を暴露』
不動産投資で失敗しないためのキャッシュフロー対策
不動産投資の初心者がローン破綻しないように、3つのキャッシュフロー対策を解説します。
『できないとヤバい!ワンルームマンション投資の収支の見極め』
ローンの融資期間は最長にする
初めて不動産投資をする場合、キャッシュフローを増やすために融資期間を最長に設定する必要があります。
ローン返済額の合計が増えて、最終的に損をしてでもキャッシュフローを増やすことが大切です。
融資期間を延ばすと総返済金額が増えるので、損した気分になるかもしれません。
実際、融資金額1000万円・金利2%・融資期間を15年~35年の条件で、総返済金額をシミュレーションするとこうなりますからね。
(グラフの左軸の単位は千万円)

損した気分になるかもしれません?
はぁ?実際、損してるやん!
融資期間15年と35年では、200万円以上ちゃうし。

確かに損しているよ。
でも、融資期間は延ばせるだけ延ばさないと、現況の利回りではキャッシュフローが出づらいよ。
融資期間がキャッシュフローの関係は、下のグラフを見ると一目瞭然だね。
ネット利益(NOI)が月5万円と仮定したときの月間キャッシュフロー
融資金額:1000万円
金利:2%
融資期間:15年~35年

融資期間20年を境に、マイナスキャッシュフローがプラスキャッシュフローに変わっているね。
つまり、現在の不動産投資においては、融資期間を20年以上に設定しないと、マイナスキャッシュフローに陥ってしまうということだよ。
『不動産投資ローンの盲点!金利より融資期間が重要である理由』
自己資金比率を上げるため、頭金は多めに入れる
キャッシュフローを増やすためには、頭金を奮発しなくてはなりません。
頭金を増やせば増やすほど、ローン返済金が少なくなるからです。

頭金とキャッシュフローの関係は、下のグラフを見ると一目瞭然だね。
ネット利益(NOI)が月5万円と仮定したときの月間キャッシュフロー
頭金:0円~300万円(融資金額1000万円~700万円)
金利:2%
融資期間:30年
頭金を増やすと、不動産投資のリスクに対する耐性が高まりますが、レバレッジ効果が低下するため、次の物件を購入する際に時間がかかるというデメリットがあります。
『レバレッジ効果が炸裂!不動産投資の収益を最大化する2つの方法』
しかしながら、不動産投資の初心者は、リスクを回避するためにキャッシュフローを増やす不動産投資が必要です。
レバレッジの効いた投資やマイナスキャッシュフロー投資などのリスキーな投資は、不動産投資の経験値を上げてからでも遅くありません。
不動産投資の初心者は焦らずコツコツです。
物件購入前の不動産投資シミュレーションを入念に行う
聡明な不動産投資家になるためには、長期にわたってプラスキャッシュフローを維持できる物件と、いずれマイナスキャッシュフローに転じる物件を見分けられる必要があります。
物件購入前の不動産投資シミュレーションは最重要項目ですが、苦手な不動産投資家が多いようです。
もし、あなたがキャッシュフローの計算や利回り計算が苦手なら、ワンルーム投資専用のシミュレーションを利用すれば、キャッシュフローの計算や利回り計算の問題も簡単に解決できます。
不動産投資で失敗しないためキャッシュフロー戦略のまとめ
プラスキャッシュフローの大切さが理解できたかな?
不動産投資の初心者は焦らずコツコツ増やしていこうね。
初心者にとっては、キャッシュフローを正確に見積もることや収支計画を立てることは難しいかもしれないけど、多方面からアドバイスを受けることで失敗を避けることができるよ。
コミュニケーションが得意な方は、イエベスト不動産投資(公式)でガンガン面談を受けて、対面が苦手な方はオンライン不動産スクール
を使ってみてもいいかもね。
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