レバレッジを上手に使えば、少ない自己資金で多くのキャッシュフロー(儲け)を得られます。
レバレッジ2倍・3倍・4倍…X倍。
それが不動産投資の魅力のひとつですよね。
では、
不動産投資のレバレッジは何倍が望ましいのでしょうか?
目安はどれくらいなのでしょうか?
結論から言うと、不動産投資のレバレッジは「何倍がベストとか、目安は何倍」という基準は存在しません。
なぜなら、不動産投資には絶対的な正解がないからです。
あなたの年収・資産背景・所有不動産によって、取り組むべき不動産投資は異なるからです。
危険!メガ大家さんのレバレッジ
多くのメガ大家さん(不動産投資で高額の家賃収入や巨額の資産を持つ大家さんのこと)の発想はこうです。
不動産投資は拡大してナンボ。
自己資金は使わず、フルローン・オーバーローンを狙おう!
通常のローン
不足分のみ借りるローン
フルローン
購入諸費用以外はすべて借りるローン
オーバーローン
自己資金と購入諸費用も含めて借りるローン
そのためでしょうか?
ガンガンに何倍ものレバレッジをかけて、危ない投資をする投資家が後を絶ちません。
知らない間に危ない投資をさせられている投資家も多いです。
『メガ大家の失敗を暴露する!サラリーマン投資家はイメージに騙されるな』
不動産投資のレバレッジはもろ刃の剣
レバレッジはアクセルです。
ベタ踏みしすぎると事故率が上がり、そのまま奈落の底へ真っ逆さまです。
というのも、不動産投資に融資を組み合わせれば、なんでもかんでもプラスのレバレッジがかかるわけではないからです。
レバレッジをプラスに働かせるためには、物件と融資の組み合わせが大切です。
仮に物件と融資の相性が悪く、レバレッジがマイナスに働いたとき、キャッシュフローをブゥ~ンと吸い上げられるのです。
このことはコチラの記事でくわしく解説しています。
『レバレッジ大爆発!不動産投資でキャッシュフローを増やす方法』
レバレッジはあなたをローン破綻させるパワーを持つ
不動産投資は元々ローン破綻しやすい体質ですが、運営を続ける間にローン破綻するリスクはさらに高まります。
なぜなら、ローン返済金は一定にも関わらず、家賃はある築年数まで下がり続けるからです。
下のグラフを確認してください。
特に、築10年までの家賃の下がり方は顕著ですよね。
築10年から穏やかになり、築20年あたりで家賃の値下がりが止まっています。
収支がギリギリの状態にもかかわらず、レバレッジを効かせすぎると、家賃が落ち着く前にキャッシュアウトしてしまうのです。
レバレッジを何倍にも効かせてた不動産投資は、ハイリスク・ハイリターンな投資なのです。
レバレッジで失敗したくありませんよね?
そうならないためには、ローン返済にどれだけ余裕があるのかを知る必要があります。
それを教えてくれる投資指標が、DSCR(ローン返済余裕率)です。
DSCR(ローン返済余裕率)とは?
DSCR(Debt Service Coverage Ratio)とは、家賃からランニングコストを引いた金額(これをNOIといいます)がローン返済金に対してどのくらい耐性があるかを示した指標です。
つまり、ローン返済余裕率と考えられます。
『ネット利益(NOI)に興味ある?マンション投資のナイショを教えます』
=[NOI] ÷ [ローン返済金]
DSCRが1を下回るときが、ローン破綻するときです。
ローン返済余裕率を調べれば、ローン破綻するリスクを数値で理解できます。
さっそく実践してみましょう。
DSCRでローン破綻を回避せよ!
あなたはこの不動産投資(ワンルームマンション投資)を実行しようとしています。
- 家賃:6万円
- 入居率:95%
- ランニングコスト:1.5万円
- ローン返済金:3万円
この不動産投資のDSCRの計算は楽勝ですよね。
=[NOI] ÷ [ローン返済金]
=(6×95%-1.5)÷ 3
=1.4
=140%
このことから、この不動産投資のローン破綻する条件はこうだとわかります。
ローン破綻しないDSCRの目安
ローン破綻しない不動産投資(ワンルームマンション投資)のDSCRの目安はこうです。
マンションのタイプ | 築年数 | DSCRの目安 | |
---|---|---|---|
新築 | – | 論外 | |
築浅 | 10年未満 | 1.5以上 | |
20年未満 | 1.4以上 | ||
30年未満 | 1.3以上 | ||
築古 | 30年以上 | 1.2以上 |
『新築ワンルーム投資で失敗は必然!借金地獄の世界をのぞいて見る?』
『対決!築浅 vs 築古 ワンルーム投資はどっちが儲かる?』
ただし、ワンルームマンションは複数所有して組み合わせて運営すれば、いろいろなリスクをコントロールできます。
『ワンルーム投資の複数所有はメリットだらけ!1室オンリーは危険だぞ』
だから、この数値は目安であり絶対ではありません。
実際、2018年にボクが購入した東京都内の築古ワンルームマンションのDSCRは1.14です。(DSCR1.2以下)
他の物件でこのDSCRの低さをカバーできるので、リスクは高くないと判断しました。
『不動産投資の利回り最低ラインを告白!ワンルームならX%は欲しい』
まとめ
不動産投資のレバレッジは何倍が目安なのか。という考え方はナンセンスな理由がわかったかな?
不動産投資は運営を続ける間にローン破綻するリスクが上がっていき、何倍ものレバレッジを効かすと、さらにローン破綻するリスクは上がるよ。
DSCR(ローン返済余裕率)を利用して、ローン破綻しないように気をつけないとね。

不動産投資はDSCR=1以下になるとアウト。
でも、ワンルーム投資は数室組み合わせて運営すれば、ひとつの物件が1を切っていても、他の物件でカバーできるよ。