本記事は「不動産投資とデッドクロス」第三話(最終話)です。
東京ワンルームマンション投資が熱い!
賃貸需要が日本一で、ローリスクな不動産投資ができるからです。
そのため、初心者から資産家まで多くの投資家が、東京のワンルームマンションを狙っています。ボクもその一人です。
今年も、東京の中古ワンルームを購入しました!
購入した理由は3つ!
- 減価償却費を増やしたかったから。(節税目的)
- 購入諸費用を経費化して、その年の不動産所得を抑えたかったから。(節税目的)
- 価格が相場より安く、お買い得感があったから。
しかしながら、減価償却費を増やして節税をする計画が見事に失敗しました!チーン。
デッドクロスがすでに起こっていたからです。
デッドクロスとは?
不動産投資のデッドクロスの知識を入れてから本題に入りましょう。
デッドクロス(dead cross)とは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るその瞬間をいいます。
しかしながら、不動産投資はいつかはデッドクロスを迎える運命にあります。
不動産投資で利用する融資は元利均等返済がほとんどで、それはローン返済が進めば進むほど元金返済が増えていくからです。
減価償却費は一定であるにも関わらず、元金返済金額は増えていくのです。
これがデッドクロスを起こさせる根本できな原因です。
経費にできない元金返済が減価償却費を超えると(デッドクロスになると)、不動産所得が税引き前キャッシュフロー(BTCF)を上回ります。
不動産所得 > BTCF
すると、その不動産を持つことで余計に税金を支払うことになります。
つまり、デッドクロスが起こると、不動産投資を使った節税は封じ込められるのです。
デッドクロスの詳細はコチラの記事で解説しています。
『不動産投資家必見!デッドクロスに隠された税金地獄を解き明かす』
東京中古ワンルーム投資で節税に失敗した2つの理由
東京中古ワンルーム投資で節税!に失敗した根本的な理由はデッドクロスです。
2つの理由で、すでにデッドクロスが起こっていたのです。
- 中古ワンルームの土地価格が異常に高かった。
(土地価格 >>建物価格) - 築古であったため、融資期間が短かった。
ひとつずつ整理していきましょう。
東京ワンルームは土地価格が異常に高い
ワンルームマンションの土地・建物価格を固定資産税評価額で按分すると、
でした。
そのため、減価償却費が期待値に全く届かなかったのです。
関連『税務署も脱帽!中古マンションの価格を土地・建物に按分計算する方法』
1年間に取れた減価償却費はたったの10万円です。
ウソだろ?
この東京築古ワンルームマンションの減価償却費はこんなに小さいの?
ポカーンだったね。
築古の東京近郊マンションはコンパクト(約16㎡)なので建物価格が安いです。
さらに、東京都心ともなると、もっとコンパクトなため建物価格はさらに安くなります。
反対に、東京の土地は狭いが、価格は異常に高いのです。
関連『不動産投資家の新たな試練!減価償却が終わったらどうなる?』
築古は融資期間が短かい
サラリーマン投資家の多くがお世話になる銀行がオリックス銀行です。ボクもオリックス銀行から多くの融資を受けている優良顧客でございます。
買った物件は築33年だったので、融資期間は22年が最長でした。そのため、ローン返済に対する元金返済分が最初から多かったのです。
『築古ワンルームマンション投資最大の弱点 融資を使うなら急げ!』
つまり、初めから【元金返済額 > 減価償却費】で、すでにデッドクロスになっていたということです。
こういうワンルーム投資も始めました。
初心者マネ厳禁『禁断の不動産投資!マイナスキャッシュフロー物件購入に隠された戦略とは?』
まとめ
ボクは「新築ワンルーム投資で節税!」ネタにはさすがに引っかからないけど、東京築古中古マンションもたいした節税対策にはならなかったよ。
デッドクロスが起こりやすい物件ははこう整理できるよ。
- 土地価格が高い物件(減価償却費が少ない)
- 築古物件(融資期間が短い)