不動産投資はミドルリスク・ミドルリターン、もしくはローリスク・ミドルリターンとも言われますよね?
しかしながら、実際は儲けが出るはずもない最悪の投資をさせられることもあります。
これをノーリスク・マイナスリターンといいます。
「リスクがないのにマイナスリターン?」
と思いましたか?
この記事はそんなあなた向けの記事ですよ。
不動産投資のリスクとリターンの正しい考え方を解説します。
リスクとは
リスクとは何のことでしょうか?
多くの不動産投資家はこう考えています。
リスク=儲けがマイナス
これはまちがった理解です。
リスクとは不確実性のことをいうからです。
不確実性とは何でしょうか?
例えば、1年後に10万円の儲けがでるかもしれないが、ひょっとしたら10万円損するかもしれない。
「かもしれない」が不確実性(リスク)です。
反対に、1年後に100%の確率で10万円儲けられる。もしくは、1年後に100%の確率で10万円損する。
これは不確実性ゼロ。つまり「ノーリスク」ということになります。
リターンとは
リターンとは、将来得られるかもしれない収益または損益のことをいいます。
リターンはプラスだけではなくマイナスもあるということがポイントだよ。
不動産投資では2種類の収益が知られています。
①インカムゲイン(キャッシュフロー)
『【悲報】税引き後キャッシュフロー計算ができなければ大家失格!』
②キャピタルゲイン(売却益)
『マンション投資は税引き後売却益が最重要!計算方法はこうだ』
リスクとリターンの整理
リスクとリターンの意味は分かりましたか?
ここでリスクとリターンを整理していきましょう。
- ローリスク・ローリターン
大きなプラスリターンが得られないかもしれないが、リターンがマイナスになる可能性も低い。 - ミドルリスク・ミドルリターン
そこそこのプラスリターンが得られるかもしれないが、リターンがマイナスになるかもしれない。 - ハイリスク・ハイリターン
大きなプラスリターンがでるかもしれないが、破壊的な損失がでるかもしれない。
『不動産投資家・業者・銀行のリスク&リターンを比較!残念な現実が赤裸々に』
金融投資のリスクとリターン(予備知識)
この先でリスクとリターンの比較の話をします。
その理解のために、少しだけ金融投資の話をします。
株・投資信託・債権などへの投資を金融投資といいます。
金融投資は市場が巨大で、取引している人間もプロがほとんどです。
さらに、インサイダー取引は法律で禁止されています。
だから、市場は常に効率的に動き、ひずみが発生したとしてもすぐに解消されます。
大きな収益を期待すればリスクが大きくなり、大きな損失を被る可能性も増す「表裏一体の世界」なのです。
出典:投資信託協会
この考え方を「効率的市場仮説」いいます。
不動産投資のリスクとリターン
不動産投資でよく言われる「ミドルリスク・ミドルリターン」「ローリスク・ミドルリターン」を先ほどの図にプロットしてみましょう。
(リスクとリターンは表裏一体の関係だから)金融投資は図の矢印上にリスクとリターンがおさまります。
しかし、不動産投資では図の矢印上から左にずれる「ローリスク・ミドルリターン」という金融投資ではありえないリスクとリターンの関係が起こることがあるのです。
なぜなら、不動産投資は事業的要素が大きく、インサイダー取引もOKだからです。
- 相場より安く購入できるかもしれない
- 経営努力で、その不動産の価値(家賃)をあげられるかもしれない
- 相場より高く売却できるかもしれない
ただし、反対にダマされたり、売買や賃貸経営がヘタクソだったりすると「ハイリスク・ローリターン」も起こることもあるよ。
『ワンルーム投資の高利回りに騙されるな!リスクを知って失敗しない投資をしよう』
まとめ
リスクとはマイナスリターン(損失)のことではない。不確実性のことだよ。
だから、リターンはプラスとは限らないし、マイナスのリターンもありうるんだね。
金融投資では、大きな収益を期待すればするほどリスクは大きくなるけど、不動産投資では、リスクをコントロールしながら大きな収益を狙えるよ。