ワンルーム投資研究所の@ぴろりです。
サラリーマン投資家を中心にワンルーム投資が熱を帯びています。そして、ボクのように不動産投資ブログを運営する投資家も増えつつあります。
そのブログの中には、1000万円で買ったワンルームマンションが1100万円で売れた。
「100万円の売却益!どうだ、すごいだろ?」のような記事も散見します。
しかし実際は、1000万円で買ったワンルームマンションを、即座に1100万円で売っても全然儲かりません。むしろ、その投資は失敗しています。
ワンルーム投資の短期売買は儲からないのです。
不動産投資で儲かった・儲からなかったとは?
不動産投資の出口を迎えた(不動産を売却した)結果、儲かったの?儲からなかったの?この答えの導き方を確認しておきましょう。
第一に、不動産投資の儲けと考え方は、それぞれ2パターンあります。
儲けの種類 | 儲けの考え方 |
---|---|
キャッシュフロー 売却益 |
税引き前 税引き後 |
※キャッシュフローとは、家賃収入からすべての支出を控除した、実際に手元に残る利益のことです。
大切なのは税引き後の儲けです。
第二に、不動産投資は購入に使った自己資金をキャッシュフローと売却益で回収するゲームです。
※左から右に時間が流れています
不動産投資で儲かった
キャッシュフローと売却益で得られた儲けの合計が、その不動産投資に使った自己資金を超えたとき、その不動産投資は儲かった(成功した)と判断できます。
不動産投資で儲からなかった
反対に、キャッシュフローと売却益で得られた儲けの合計が、その不動産投資に必要とした自己資金未満だったとき、その不動産投資は儲からなかった(失敗した)と判断できます。
くわしくはコチラの記事で解説しています。
『成功か、それとも失敗か?ワンルーム投資はとにかく出口に強くなれ!』
この理論を使って、ワンルーム投資の短期売買が儲からないことを証明します!
ワンルーム投資の短期売買は儲からない
あなたはこのワンルームマンション投資(1000万円で購入→1100万円で売却)を実行しました。
- 購入価格:1000万円
(取得費:1040万円) - 購入諸費用:80万円
- 売却価格:1100万円
- 譲渡費用:40万円
- 運用期間:即時(考慮せず)
- 融資:なし(現金投資)
キャッシュフローの計算
今回のワンルーム投資は即時売却であるため、キャッシュフローは考慮しません。
売却益の計算
このワンルーム投資の表面上の売却益は100万円(1100-1000)ですが、本当に手元に残る売却益(真の売却益)は違います。
真の売却益は税金(譲渡税)とコスト(譲渡費用)を考慮するからです。
=(売却価格 -購入価格)-譲渡費用 -譲渡税
=(1100 - 1000)- 40 -7.8
=52.2万円
くわしくはコチラの記事で解説しています。
『マンション投資は税引き後売却益が最重要!計算方法はこうだ』
譲渡税とはは売却時にかかる税金のことです。
今回の売却は短期譲渡であるため、このように計算しました。
=[譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用)]×39%
=[1100 - (1040 + 40)]×39%
=7.8万円
『ワンルームマンションを売却!税金(譲渡税)の計算方法はこうだ』
ジャッジ!このワンルーム投資は儲からなかった
このワンルーム投資を整理しましょう!
不動産の購入に1080万円を投入し、売却したら1052.2万円になって戻ってきました。
縦軸:金額(円) 横軸:時間の流れ
つまり、このワンルーム投資を短期売買した結果、27.8万円の損失(1052.5+0-1080)を受けたということです。
関連『ワンルームマンション投資は儲からない?バカ扱いする前に知るべき4つの事実』
まとめ
「不動産投資で儲かった」とは、こういう状況だよ。
この記事で計算したとおり、1000万円で購入したワンルームマンションをすぐに1100万円で売却しても儲からないことが分かったね。
不動産投資は売買コストが大きいため、回転売買するとすぐに利益が吸収されてしまうんだ。
ここが株と不動産投資の大きな違いだよ。