2018年から、デッドクロスの仲間入りの@ぴろりです。
不動産投資で成功するためには、デッドクロスを理解することが不可欠です。
なぜなら、デッドクロスが発生すると、不動産所得が税引き前キャッシュフローを上回るため、税金が原因で黒字倒産も起こりえるからです。
そこで今回の記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、不動産投資家にとってのデッドクロスと税金の密接な関係について解説します。
ほぼ全ての不動産投資家に起こるデッドクロス(税金地獄)を予測し、リスクを回避するために、ぜひ最後までお付き合いください。
では、始めましょう。
不動産投資のデッドクロスとは?
不動産投資のデッドクロス(dead cross)とは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回るその瞬間をいいます。
だから、それがどうしたん?
まあまあ焦らずに。
不動産投資用語と一緒に、順番に解説していくからね。
デッドクロスが発生すると、帳簿上の利益に対して課される税金が増えるため、不動産投資家は予想外の経済的負担に直面します。
税金が増えることで資金繰りが悪化し、最悪の場合には黒字倒産に陥るリスクもあります。
したがって、不動産投資においては、デッドクロスの影響を理解し、十分な準備と計画が不可欠です。
不動産投資でデッドクロスが起こる原因
多くの不動産投資に利用される融資は元利均等返済型です。この融資タイプがデッドクロスを起こさせるのです。
順序だって,その理由を解説します。
まず、不動産投資の減価償却費は一定金額です。
一方、不動産投資の融資は元利均等返済(ローンの元金と利息を均等に返済する方式)が多いため、ローン返済が進むとともに元金返済は増えます。
したがって、融資を利用してマンション経営を始めると、ローンの元金返済が減価償却費を超える日が訪れるのです。
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不動産投資はデッドクロスで税金が増える
不動産投資は税金との戦いとよく言いますが、本当の戦いはデッドクロス発生後です。
不動産投資のローン返済の経費化について
不動産投資のローン返済には、「元金返済」と「利息返済」があります。
ローン返済をすると、返済金額分だけお金が出ていきますが、元金返済は必要経費として計上できません。
不動産投資で経費にできるのは、利息返済だけです。
『ローン返済&繰り上げ返済の盲点!不動産投資の経費は利息だけ』
減価償却費の経費化について
不動産価格は「土地価格」と「建物価格」の総和です。
建物価格は長期にわたって分割して、減価償却費として経費化していきます。
減価償却費はお金が出ていくわけではありませんが、帳簿上では経費として認識されます。
『不動産投資の減価償却費の不思議 正しく理解していますか?』
不動産投資のデッドクロスは税金を増やす
経費にできない元金返済が減価償却費を超えると(デッドクロスになると)、不動産所得は税引き前キャッシュフローを上回ります。
不動産所得 > 税引き前キャッシュフロー
すると、その不動産投資を行うことで、余計に税金を支払う羽目になるのです。
はぁ?
実感しづらいよね?
ワンルーム投資をつかって解説するよ!
実例!デッドクロスをワンルーム投資で解説
あなたは金利2.5%・期間20年の融資を利用して、この条件のワンルームマンションを購入しました。
- 年間家賃:72万円
- 年間運営費:20万円
- ローン金額:720万円
- 減価償却費:30万円
不動産投資1年目のローン返済の内訳はこの通りです。
- 元金返済:281,044円< 減価償却費30万円
- 利息返済:176,789円
ローンの元金返済は減価償却費より少ないため、デッドクロスは起こっていません。
不動産投資4年後はどうでしょうか?
- 元金返済:302,911円 >減価償却費30万円
- 利息返済:154,922円
ローンの元金返済は減価償却費より多くため、デッドクロスが発生しています。
このワンルーム投資を表にまとめるとこうなります。
投資後 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
---|---|---|---|---|---|
家賃 | ¥720,000 | ||||
ランニングコスト | ¥200,000 | ||||
利息返済 | ¥176,789 | ¥169,682 | ¥162,395 | ¥154,922 | ¥147,264 |
元金返済 | ¥281,044 | ¥288,151 | ¥295,438 | ¥302,911 | ¥310,569 |
減価償却費 | ¥300,000 | ||||
BTCF | ¥62,167 | ||||
不動産所得 | ¥43,211 | ¥50,318 | ¥57,605 | ¥65,078 | ¥72,736 |
税金(税率30%) | ¥12,963 | ¥15,095 | ¥17,282 | ¥19,523 | ¥21,821 |
ATCF | ¥49,204 | ¥47,072 | ¥44,886 | ¥42,644 | ¥40,346 |
税引き前キャッシュフロー(BTCF)、不動産所得、税金、税引き後キャッシュフロー(ATCF)のくわしい解説はコチラの記事を参照してください。
- 不動産投資の大損を回避!ワンルームマンションのキャッシュフロー計算方法
- 【悲報】税引き後キャッシュフロー計算ができなければ大家失格!
- キャッシュフローと不動産所得の違いを知って、成功の秘訣を手に入れよう!
デッドクロスが起こった4年目以降は、【不動産所得 > 税引き前キャッシュフロー(BTCF)】になっているのが分かるだろう?
ワンルーム投資4年目では、税引き前キャッシュフロー62,167円に対して不動産所得65,078円です。
言い換えると、現実では62167円しか稼いでいないにもかかわらず、会計上は65,078円稼いだ(不動産所得=65078円)とみなされるのです。
その結果、儲けに合わない税金が課されてしまうのです。
関連『東京中古ワンルームで節税失敗!嘘だろ?いきなりデッドクロスかい!』
デッドクロスで始まる税金地獄のまとめ
デッドクロスってのは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回る瞬間のことさ。
不動産投資では、減価償却費は一定金額だけど、ローンの元金返済はだんだん増えていくから、融資を使って不動産投資をやっていくと、デッドクロスは必ずやってくるんだよ。
デッドクロスが起きると、それ以降の不動産の収入が税引き前のキャッシュフローを上回り、結果としてたくさんの税金がかかっちゃうんだよ。