フラット35を悪用してワンルームマンション投資を行う、不動産投資の裏スキームがついに摘発され話題になっている。
本記事を読んでいるあなたは、卓越したサラリーマン投資家だろう。
だから、こんなズルに手を染めていはいけない。
さて、本題に入ろう。
「住宅ローンに落ちた経験はあるだろうか?」
ボクはあるぞ!
そのときは地獄に落とされたような気分を味わわされた(味あわされた)。
でも、ボクはブラックではない。
不動産投資ローン、クレジット払い、携帯代などは遅延なく返戻する、自称優良顧客だ。
唯一、普通のサラリーマンと違うのは、不動産投資用ローンの残債があったことだ。
おそらく、ワンルームマンション投資で使っていたローンの残債がネックになり、住宅ローンで失敗したのだろう。
住宅ローンの鉄の掟
都市銀行が扱う住宅ローンには鉄の掟がある。
(これを返済負担率という)
年収にもよるが、この返済負担率は30%~40%と言われている。
例えば、年収600万円のサラリーマンの返済負担率が35%と仮定すると、ローンの年間返済金額の限度は210万円(600万円×35%)である。
これを審査金利4%・融資期間35年の条件で、住宅ローンの上限を計算する。
すると、住宅ローンの限界借入金額は約4000万円となる。
審査金利とは、住宅ローンの審査に使われる金利のことであり、それは4%が多い。
(実際に借り入れる実行金利0.7%などで計算するのではない。実行金利で融資枠を計算すると、別の意味で住宅ローンに失敗する)
ワンルーム投資用ローンの掟
もちろん、ワンルームマンション投資用ローンにも掟がある。
(これを年収倍率という)
年収にもよるが、この年収倍率は5倍~10倍といわれている。
つまり、年収600万円のサラリーマン投資家の融資枠は3000万円~6000万円である。
『サラリーマン大家不況到来!ボクの融資もカウントダウンか?』
<サラリーマン投資家向けワンルームマンション投資ローンの例>
※リンク先は各銀行の不動産投資ローンの詳細
『オリックス銀行の不動産投資ローンの融資条件 HPにない情報満載』
『アプラス投資用マンションローン(ARUHI)の融資条件 HPにない情報満載』
ワンルームを買いすぎると住宅ローンで失敗する
あなたが敏腕サラリーマン投資家なら、ワンルーム投資で融資を使いすぎると住宅ローンで失敗する理由がピンときただろう?
ここからは、答え合わせだ。
ワンルーム3室を所有し、不動産投資ローンを次の条件で借りている。
- 融資金額:2000万円
- 金利:2.5%
- 融資期間:30年
この不動産投資ローンの年間返済金額は約86万円である。
あなたは3000万円の住宅ローンを次の条件で組みたい。
- 融資金額:3000万円
- 金利:0.6%
- 融資期間:35年
この住宅ローンの年間返済金額は約97万円である。
=183万円 < 210万円(返済負担率35%)
「この住宅ローンは落ちない」・・・ではない。
ローン金利は審査金利4%で計算しなさなければならないからだ。
審査金利4%でそれぞれのローンの年間返済金額を計算するとこうなる。
- 不動産投資ローン:106万円
- 住宅ローン:159万円
=265万円 > 210万円(返済負担率35%)
この住宅ローンは落ちる。
『「ワンルーム投資の融資」と「自宅の住宅ローン」どっちが先が正解?』
まとめ
不動産投資ローンの残債は住宅ローンの融資枠を圧迫する。
だから、ワンルームマンション投資に熱中しすぎると、住宅ローンで失敗する。
そのとき、愛妻が鬼嫁に化すことも容易に想像できる。
そうならないための解決法は2つ。
- 自宅を買う予定があるなら、ワンルームマンション投資はほどほどにする
- 住宅ローンはフラット35を使う