残念!銀行から見た区分マンションの価値(積算評価)はこの程度

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不動産投資家の間で融資に関するひとつの常識がある。

「アパート投資と比べると、区分マンション投資は圧倒的に不利だ」である。

その理由はこうだ。

アパートの土地は投資家が実質的に支配でき、持ち分も大きい。
そのため、銀行評価も出やすく、それを担保にして融資を受けやすい。

一方、区分マンションでも土地の持ち分はあるが、投資家に実質的な支配権があるかといえば疑問である。
さらに、区分マンションは価格と銀行から見た価値(積算評価)に大きなかい離があり、信用枠(融資枠)がなくなった途端、融資はストップするのだ。

「区分マンションの価格」と「銀行評価(積算評価)」について解説しよう。

その前に。

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不動産の評価方法は3種類

不動産の評価方法は主に3種類ある。

  1. 積算評価(銀行向け)
  2. 収益還元評価(投資家向け)
  3. 取引事例比較評価(一般向け)

本来なら、不動産投資家・銀行ともに重視すべき評価方法は「収益還元評価」であるが、銀行は「積算評価」を重視するところが多い。

というのも、積算評価は担保評価でもあるからだ。

その価格は高い?安い?区分マンションの価値は収益還元法でわかる

積算評価とは

積算評価とは、「土地の路線価」と「建物の再調達価格」を足して計算する不動産の評価方法である。

積算評価 = 土地評価 + 建物評価

  • 土地評価 = 路線価 × 土地面積
  • 建物評価 = 再調達価額 × 延床面積

※路線価
本来は相続税などの計算に使われる土地の評価であるが、銀行が積算評価の計算にも使われている。実際の取引価格の8割程度である。

※再調達価格
その不動産と同程度のモノを新たに作るなら、どれくらいのお金が必要か。その価格。

中古区分マンションの価値を積算評価で計算してみよう

あなたはこの条件の中古区分マンション投資を検討している。

  • 物件所在地:東京都世田谷区
  • 物件価格:900万円
  • 家賃:55000円
  • 土地:1175㎡(持ち分:264 / 40000)
  • 建物:築34年、部屋の面積15㎡

積算評価を計算してみよう。

土地の積算評価の計算方法

あなたが検討している区分マンションの周りの路線価図はこうだ。

路線価図

※区分マンションの土地の路線価は国税庁「路線価図」で調べられる。

この区分マンションは「440D」という道に面している。

440:1㎡毎の価格を千円単位で示している。
D:借地権割合を示している。
くわしくは国税庁「路線価図の説明」を参照してほしい。

だから、この区分マンション全体の土地の積算評価はこう計算できる。

44万円 × 1175㎡ = 5.17億円

ただし、あなたの土地の持ち分は[264 / 40000]である。
だから、あなたの土地の持ち分の積算評価は341万円(5.17億円×264÷40000)だ。


<参考>

東京郊外の路線価は30万円~60万円/㎡であるが、東京超都心の路線価は500万円/㎡を超えるエリアもある。

先輩サラリーマン投資家がアパートだけではなくワンルームも買う理由


建物の積算評価の計算方法

銀行によって若干の違いがあるが、室内1㎡あたりの再調達価格はこのとおりと言われている。

  • 木造(アパート):15万円
  • 軽量鉄筋:15万円
  • 重量鉄筋:18万円
  • 鉄筋コンクリート(マンション):20万円

この再調達価格を使って、新築当時の建物の積算価格を計算してみよう。

建物の積算評価(新築)
=20万円 × 15㎡
=300万円

築34年の中古区分マンションの耐用年数残は13年(47-34)であるため、この中古区分マンションの建物の積算評価は83万円(300×(13÷47))となる。

耐用年数はコチラの記事で解説している。

マンション投資の減価償却費がチンプンカンプン?初心者はこう考えよう!

区分マンション投資の融資はいつかストップする

中古区分マンションの積算評価
=土地評価 + 建物評価
=341万円 + 83万円
=424万円

物件価格900万円に対して、銀行評価は424万円である。

物件価格と銀行評価の比較

もし、このワンルームマンション投資にフルローンを使ったなら、不足する476万円分は個人の信用枠(与信枠)から穴埋めされるわけだ。(信用棄損と言われたりもする)

そして、その信用枠を使って融資を使い続けると、いつか信用枠が枯渇して融資がストップするのだ。

だから、繰り上げ返済をうまく活用して、室数を増やしていきたい。

近日公開予定
『ワンルームマンション投資は繰り上げ返済を使ってこう増やせ!』

まとめ

  • 銀行が不動産を評価するとき、積算評価を使うことが多い
  • 積算評価は土地評価と建物評価を足して計算する
  • 土地の積算評価には路線価を使う
  • 建物の積算評価には再調達価格を使う
  • 超都心を除くと、[物件価格 > 積算評価]である