マンション投資において、繰り上げ返済の利用は有益です。
しかし、繰り上げ返済はローン返済額を変えずに融資期間を短くする「期間短縮型」と、ローンの融資期間を変えずに返済額を軽くする「返済額軽減型」の2種類があります。
多くの初心者は、どちらを選んだら良いのか迷ってしまうかもしれません。
結論から申し上げると、マンション投資で繰り上げ返済を実行する際には「返済額軽減型」を選ぶべきです。
今回の記事では、不動産投資歴10年超の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、「期間短縮型」と「返済額軽減型」のメリット・デメリットと、繰り上げ返済は「返済額軽減型」を選ぶべき理由を解説します。
では、始めましょう。
「期間短縮型繰り上げ返済」のメリット・デメリット
「期間短縮型繰り上げ返済」のメリット・デメリットはこのとおりです。
- ローン返済のスピードが加速する!
- (期間短縮型より)繰り上げ返済の効果が高い!
- 返済期限の利益(ローンを分割で払う権利)を失う!
- 投資資金が減少する!(リスクが上がる)
実例をあげて解説します。
あなたはこの条件のローンを組んでいます。
- ローン金額:800万円
- 金利:3%
- 期間:20年
1年後、100万円繰り上げ返済を実行しました。
期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
---|---|---|
残期間 | 15年8カ月 | 19年 |
元金返済 | 27,609円/月 | 21850円/月 |
利息返済 | 16,758円/月 | |
減額された利息の総額 | 686,577円 | 313,177円 |
「期間短縮型繰り上げ返済」の2つのメリット
- 「期間短縮型繰り上げ返済」のメリットは、ローン返済が早くなることです。
具体的には、残期間が3年4カ月短縮され、元金返済が3,242円増加しました。 - また、繰り上げ返済の効果が高いこともメリットの一つです。
利息の総額は、返済額軽減型よりも多く減額されます。
『マンション投資の繰り上げ返済「期間短縮型」を選ぶ2つのメリット』
「期間短縮型繰り上げ返済」の2つのデメリット
- 「期間短縮型繰り上げ返済」をすると、ローンの残期間が3年4カ月短縮されるため、その分の返済期限の利益を失うことになります。
- さらに、100万円の投資資金が減少し、予期せぬ事態に対処するための余力が低下してしまいます。
「返済額軽減型繰り上げ返済」のメリット・デメリット
「返済額軽減型繰り上げ返済」のメリット・デメリットはこのとおりです。
- 毎月のキャッシュフローが増える!
- 利回りが向上する!
- 減額される利息の総額が少ない!
もう一度、「返済額軽減型」と「期間短縮型」繰り上げ返済後のローンの返済条件と減額された利息の総額を確認してください。
期間短縮型 | 返済額軽減型 | |
---|---|---|
残期間 | 15年8カ月 | 19年 |
元金返済 | 27,609円/月 | 21,850円/月 |
利息返済 | 16,758円/月 | |
減額された利息の総額 | 686,577円 | 313,177円 |
「返済額軽減型繰り上げ返済」の2つのメリット
- 返済額軽減型繰り上げ返済を行うと、元金と利息の返済合計が5,758円削減されます。つまり、毎月のキャッシュフローが5,758円アップします。
- 100万円を投資することで、年間69,096円のキャッシュフローを得られるため、自己資金利回り(マンション投資に投じた現金の利回り)は約7%に相当します。
この繰り上げ返済によって得られるキャッシュフローは、7%の利回りを持つワンルームマンション投資と同等の効果があると言えるね。
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「返済額軽減型繰り上げ返済」のデメリット
「返済額短縮型繰り上げ返済」のデメリットは、繰り上げ返済をすることで、減額される利息の総額が、期間短縮型と比較すると少なくなってしまうことです。
「返済額軽減型繰り上げ返済」は不動産投資のリスクを減らす
このように、「返済額軽減型繰り上げ返済」を実行することによって、毎々の支払いが軽減され、将来的なリスク(空室時の支払い負担、家賃下落リスクなど)を減らすことができます。
また、毎月の返済額が下がることで、精神的にも安心感が得られます。
しかし、期間短縮型に比べると、繰り上げ返済の効果が現れるまでに時間がかかるというデメリットがあります。
それでも、マンション投資は長期的なもので、これから先に何があるがわかりません。
目先の利益にとらわれることなく、将来を見据えた「返済額軽減型繰り上げ返済」を選ぶメリットは大きいのです。
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マンション投資の繰り上げ返済のまとめ
マンション投資の繰り上げ返済には「返済額軽減型」と「期間短縮型」があるんだ。
「期間短縮型繰り上げ返済」は、早くローン返済が終わって投資利益を増やせるけど、返済期限の利益がなくなって投資資金も減るから、リスクが高くなるんだ。
一方、「返済額軽減型繰り上げ返済」は、融資期間は変わらないから返済期限の利益がなくならず、リスクが低くなるんだ。
繰り上げ返済の効果は、「期間短縮型」よりも少なくなるかもしれないけど、返済額が減るから、将来的なリスクに備えて余裕を持てるんだ。
だから、マンション投資で繰り上げ返済をするときは、「期間短縮型繰り上げ返済」がおすすめだよ。
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