区分マンションを購入し、新たな不動産投資家としての一歩を踏み出したあなた。
しかし、その喜びも束の間、確定申告という大きな壁が立ちはだかります。
特に、決算書の作成は初心者には難解な部分が少なくありません。
不動産所得の決算書、その中でも多くのサラリーマン投資家が直面する難関が「損益計算書の減価償却費」の計算です。
しかし、ご安心ください。
今回の記事では、不動産投資歴10年以上&確定申告歴15年以上の現役サラリーマン大家(プロフィール)が、この複雑な項目を国税庁の「確定申告書作成コーナー」を使用して、分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、減価償却費の計算がどのように行われるのか、その具体的な手順を理解できるはずです。
初めての確定申告に立ち向かう初心者サラリーマン大家のあなたに、この記事は必読の内容です。
では、さっそく始めましょう!
不動産所得の減価償却費とは?
「減価償却費」という言葉、聞いたことはあっても、その意味がピンとこない方も多いと思います。特に、確定申告の初心者向けにとっては、なんとも難解な印象を持つかもしれません。
まず、減価償却費の概念を、やさしく解説します。
区分マンションの土地は永遠のモノ(下グラフの青棒)ですが、建物本体と付帯設備は時間とともに価値が減少します。(下グラフの赤棒・緑棒)
この価値の減少分を、年間の経費として計上できるのが減価償却費なのです。
さあ、ここからが本番です。「確定申告書作成コーナー」を使って減価償却費を計算し、決算書の減価償却費を書いていきましょう!
今回取り扱う区分マンションの概要は以下のとおりです。
物件名 | 物件番号1 | 物件番号2 |
---|---|---|
専有面積 | 21.55㎡ | 23.55㎡ |
取得価格 | ¥5,000,000 | ¥5,200,000 |
未償却残高 | ¥4,895,833 | – |
耐用年数 | 40年 | 43年 |
取得年月 | 令和4年3月3日 | 令和5年5月5日 |
不動産所得の減価償却費の書き方(前半)
このブログにはYouTubeの解説版もあります!
前半は「減価償却資産の種類等」~「面積又は数量」を取り扱います。
減価償却資産の種類等
区分マンションは建物に該当します。
[建物・車両・機械・備品等(定額法)]を選びます。
減価償却資産の細目
減価償却資産の細目は[建物およびその附属設備]を選びます。
減価償却資産の名称
減価償却資産の名称は[マンション名]を書くとわかりやすいですね。
見てわかるように、自由に書けばいいよ。
ボクはストレートにマンション名にしてるね。
面積又は数量
面積又は数量は区分マンションの専有面積を書きます。
「m2」ではなく、「平米」を入力します。
不動産所得の減価償却費の書き方(中間)
中間は「取得年月」~「耐用年数」を取り扱います。
取得年月
取得年月は区分マンションの購入年月日を書きます。
契約日ではなく購入年月日(引き渡し日)だよ。
取得価額
取得価格は不動産投資の初心者が見落としやすい項目です。
なぜなら、[取得価格=マンションの購入価格]ではないからです。
ここでいう取得価格とは、区分マンションを購入するのにかかった購入諸費用(仲介手数料と固定資産税・都市計画税の清算金)を盛り込んだ建物分の価格です。
さらに、土地:建物の比率が60:40であるなら、区分マンションの建物の取得価格を計算するとこうです。
=[マンションの取得価格]×0.4
=1040万円×0.4
=416万円
区分マンションの土地・建物比率の計算方法はコチラの記事で。
『中古区分マンションは土地・建物に按分しよう!計算方法はこう』
前年末未償却残高
前年末未償却残高は、前年末の減価償却残高を書きます。
(前年度の確定申告書を見て書く)
初めての確定申告の場合、未償却残高はゼロなので空白でOKです。
耐用年数
耐用年数とは(会計上で)建物・備品の価値がゼロになる年数のことです。
例えば、鉄筋コンクリートの新築区分マンションの耐用年数は47年となります。
(築47年で価値がゼロになる)
出典:確定申告作成コーナー「よくある質問」
中古区分マンションの耐用年数は、次の公式を利用して計算します。
=47年-築年数+(築年数×0.2)
※計算した結果の小数点以下は切り捨てる
『ワンルームマンション1室からOK!確定申告は青色申告しないと損』
不動産所得の減価償却費の書き方(後半)
後半は「本年中の償却期間」と「事業専用(貸付)割合」を取り扱います。
本年中の償却期間
年の途中で購入した区分マンションは、その年に使用する月分のみ減価償却できます。
例えば、5月に区分マンションを購入しているなら、本年中の償却期間は「8カ月」となります。
5月~12月までを減価償却費にするんだよ。
事業専用(貸付)割合
事業専用(貸付)割合は、区分マンションを貸し付けている割合を書きます。
普通は部屋の全て100%を貸し出すので、[100.00]でOKです。
『サラリーマンのワンルーム投資 | 確定申告「損益計算書」の書き方』
複数の区分マンションを所有しているときの対処方法
区分マンションを複数所有している投資家は、同じ要領で複数分書いていきます。
→[もう一件入力する]
すべての減価償却費の終了後、[入力終了「次へ」]をクリックします。
すると、本年分の不動産所得の減価償却費はこのように計算されているはずです。
『サラリーマンがゼロから学ぶ!不動産投資の確定申告書の作成術 R5年分』
記事を読んだけれどギブアップって方へ
ん~サッパリだがや!
よう分からん!
気持ちは分かるよ。
確定申告の減価償却関係を苦手にしている投資家は多いからね。
ほんじゃ、どないしたらええん?
税理士に頼まなアカン?
税理士に頼んだら楽かもしれないけど、結構高いよ。
税理士.comによると、税理士費用は年間16万円~だからね。
それに、不動産投資の税金は知っておいて絶対損はない!
クラウド会計ソフトfreeeを使ってみたらどうかな?
毎日の帳簿付けから確定申告まで楽チンだよ。
わずらわしい減価償却費の計算も不要だし。
えっホンマに?