減価償却費はチンプンカンプンの世界ですよね?
あなたが経理や経営を経験していない限り、触れることのない世界だからです。
実際、減価償却費はサラリーマンに馴染みがうすいがため、苦手意識を持っているサラリーマン投資家は大勢います。
さらに、それを計算しようというのだから、ますます拒否反応勃発でしょう。
でも大丈夫です!
初心者が脱落しないように、確定申告歴15年超の@ぴろりが足取り解説しますから。
では、はじめましょう!
不動産の減価償却とは?
ワンルームマンションやアパートなど、不動産の土地は永遠ですが、建物や設備は時間とともに劣化して最終的に使えなくなります。
しかし、時間とともに減少した価値の分だけ、毎年経費として計上することができます。
この手続きを減価償却といい、この経費(費用)を減価償却費といいます。
例えば、鉄筋コンクリート(RC)の新築のワンルームマンションは、税法では47年で使無価値になると決まっていて、47年間(47回)に分けてコツコツと減価償却できるのです。
『不動産投資の減価償却費の不思議 正しく理解していますか?』
さあ、減価償却費の計算を実例を使って始めるよ!
中古マンションのスペックはこのとおりだよ。
- 価格=1000万円
- 仲介手数料=38.88万円
- 固定資産税清算金=1.12万円
- 土地建物比率=60:40
- 築年数=30年
ステップ1:取得価格を計算する
「マンションの取得価格=マンションの価格」ではありません!
取得価格とは、マンションを購入するのにかかった購入諸費用(仲介手数料と固定資産税・都市計画税の清算金)を盛り込んだ価格のことであるからです。
参考:国土交通省「減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用」
不動産投資の初心者が見落としやすいのはここだよ!
=価格 + 仲介手数料 + 固定資産税等清算金
=1000万円+38.8万円+1.2万円
1000万円の中古ワンルームマンションの取得価格は1040万円と計算できました。
ステップ2:マンション取得価格を土地と建物に按分する
減価償却できるのは建物(建物本体+付帯設備)だけですので、土地は対象外です。
次は、マンション取得価格を土地と建物に按分してみましょう。
中古ワンルームマンションの契約書は、土地と建物の価格が分けられていることはまれで、セット価格で記載されています。
このような場合、固定資産評価証明書をもとにセット価格を土地・建物に按分計算するのが合理的です。
『税務署も脱帽!中古マンションの価格を土地・建物に按分計算する方法』
何で、わざわざ土地と建物に按分するの?
それは、減価償却できるのは建物(建物本体+付帯設備)だけだからだよ。
あっ!そやったわ。
土地は永遠やから、減価償却できひんかった。
減価償却後の残存価値をイメージするとこんな感じだよ。
ステップ3:マンションの建物部分の取得価格を計算する
中古ワンルームマンションの土地建物比率を計算すると60:40でした。
次は、建物の取得価格を計算してみましょう。
=[マンション取得価格]×0.4
=1040万円×0.4
=416万円
ステップ4:マンションの耐用年数を計算する
新築ワンルームマンションの耐用年数は47年です。
参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物/建物附属設備)」
しかし、中古ワンルームマンションの耐用年数は、47年から築年数分を差し引く必要があります。
じゃあ、引いたらいいだけやん!
ハイ、楽勝!!!
築30年の中古ワンルームの耐用年数
=47年-30年
=17年
残念だけど、ただ引けばいいだけじゃないんだよね。
中古ワンルームマンションの耐用年数は次の公式を利用するよ。
=47年 - 築年数 +(築年数×0.2)
※計算した結果の小数点以下は切り捨てる
参考:国税庁「中古資産の耐用年数」
=47年-30年+(30年×0.2)
=23年
築30年の中古ワンルームマンションの耐用年数は、17年(47-30)ではなく23年です。
ステップ5:マンションの耐用年数から償却率を調べる
償却率は国税庁が発表している減価償却資産の償却率表を使うだけでOKです。
23年の耐用年数に対応する償却率は0.044です。
『ワンルームマンション1室からOK!確定申告は青色申告しないと損』
ステップ6:建物の取得価格に償却率をかける
マンションの建物部分の取得価格は、ステップ2「土地と建物の按分計算」で計算した416万円を使います。
これに償却率(0.044)を掛けあわせて、減価償却費を計算します。
=[建物取得価格]×[償却率]
=416万円×0.044
=183,040円
『サラリーマンの不動産所得者必見!開業届は不要?未提出のデメリットとは?』
ステップ7:今年の減価償却費を割り当てる
減価償却費は183,040円と計算できましたが、そのまま今年分に当てはめてはいけません。
さきほどの計算でこの減価償却費は1年分だからです。
年の途中で購入した中古ワンルームマンションは、その年に使用する月分のみ減価償却します。
例えば、5月5日に購入したならば、その年は「8カ月使用」することになります。
122072円。これが、今年分の減価償却費です。
『サラリーマンの不動産投資!青色申告と白色申告、どちらが得?』
記事を読んだけれど、マンションの減価償却費計算はギブアップって方へ
ん~サッパリだがや!
よう分からん!
気持ちは分かるよ。
確定申告の減価償却関係を苦手にしている投資家は多いからね。
ほんじゃ、どないしたらええん?
税理士に頼まなアカン?
税理士に頼んだら楽かもしれないけど、結構高いよ。
税理士.comによると、税理士費用は年間16万円~だからね。
それに、不動産投資の税金は知っておいて絶対損はない!
クラウド会計ソフトfreeeを使ってみたらどうかな?
毎日の帳簿付けから確定申告まで楽チンだよ。
わずらわしい減価償却費の計算も不要だし。
えっホンマに?